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共産党府議団 来年度予算要望 子ども医療助成拡充、ブラック企業対策、医療・介護…/都構想断念、福祉充実、中小企業支援、安全のまちづくりで大阪に活力を

 日本共産党大阪府議団は11日、松井一郎知事あてに「2015年度の予算編成並びに施策についての重点要望」を提出しました。

 要望は、消費税増税がくらしと経営を圧迫、政府による医療と社会保障の縮減が推し進められ、災害被害が相次ぐなか、くらしと安全を守り、大阪経済の振興をはかるために、大阪府の責務は重大だと指摘。
 大阪都構想を断念し、くらしと福祉、地域経済を支える中小企業応援の政治への転換を求めています。

2014年9月11日

大阪府知事 松井 一郎 様

日本共産党大阪府議会議員団 
団 長 宮原 威  

2015年度の予算編成並びに施策についての重点要望

はじめに

 先月、広島を襲った集中豪雨は、死者が73人、行方不明1人の甚大な被害をもたらした。滅多に降らない大雨が、しばしば降る時代になり、その際、一部の地域で、被害が集中的に発生した結果である。大阪府内でも8月に、平地を除くほぼ全域に土砂警戒情報が出され、23市町村において避難勧告が出された。大阪の災害対策も、広島をはじめとした近年の経験から教訓を引き出し、進めなければならない。
 また、内閣府が今月8日発表した4〜6月期の国内総生産(GDP)第2次速報によると、実質GDPは前期比年率マイナス7.1%と大幅に落ち込み、個人消費はマイナス5.1%(年率換算マイナス19%)と過去20年来で最悪の落ち込みとなった。
 今年4月の消費税増税が、国民生活を直撃し、日本経済をおおもとから壊しつつあることは明白である。にもかかわらず安倍内閣は、来年10月から消費税を10%へと、さらに引き上げる一方、今年に続き、来年度も法人税を引き下げ、中小企業などへの外形標準課税の拡大など、「大企業ひとり勝ち」の政治を強めている。国民健康保険の都道府県単位化や介護保険制度から要支援者をはずすなど、医療・福祉の給付減と負担増の計画が進められている。
 このような状況の中で、くらしと安全を守り、大阪経済の振興をはかるために、大阪府の責務は重大である。大阪都構想を断念し、暮らしと福祉、地域経済を支える中小企業を応援し、大企業も大阪で持続できる政治に転換すべきである。
 知事におかれては、府民の生活と経済の実態に向き合い、府民の声に率直に耳を傾け、府民の生活改善と経済発展に全力を尽くされることを心から求め、以下の要望を行う。

1.消費税10%への増税中止、家計応援

@ 消費税の10%への増税は中止し、国民の所得を増やす経済改革をすすめるとともに、大型 開発などの浪費をやめ、富裕層や大企業への優遇税制をただして税収増をはかるよう国に求 める。
A 市町村や商業者・団体などと協力し、プレミアム付商品券の発行など、数十億円規模の消費 喚起策を緊急に講じる。
B 灯油価格高騰対策(冬場、低所得者向け)を講じる。
C 水需要予測の引き下げ、設備更新計画の事業費(2870億円)を見直し、卸売り料金の値下 げを図る。市町村と協力し、技術系職員の確保を計画的にすすめ、安心、低廉で安定した水の 供給を図る。

2.子育て支援と教育条件の整備、民主的改革

(1)子育て支援、抜本的総合的な少子化対策を
@ 現行の乳幼児医療費助成制度を子ども医療費助成制度として、対象年齢を中学校卒業まで に拡充する。補助制度を創設するよう国に求める。
A 子ども家庭センターの児童福祉司や児童心理司など、児童虐待に対応する職員体制をいっ そう充実する。
B 雇用、子育て、介護等総合的な少子化対策を地域の実情に応じて緊急に取り組むよう国に 求めるとともに、府としても抜本的・総合的な少子化対策の実効ある計画を持って取り組む。
C 子ども・子育て支援新制度において、待機児の解消を図り、保育基準を下げない、利用料を 上げない、「企業参入」で保育の質の低下を招かないなど公的責任を果たす。
D 新婚・子育て世代に家賃補助制度を特定優良賃貸住宅以外にも対象を広げる。

(2)子ども1人ひとりに寄りそい、可能性を伸ばす教育を
@ 35人以下学級を小中学校全学年に広げるよう国に求めるとともに、大阪府独自に小学校全 学年と中学1年に拡大する。
A 教員定数は正規教員を基本に確保する。必要な講師や非常勤講師枠を確保し、「教育に穴 が開く」事態を解消する。教職員の多忙化を解消し、教員に授業内容を充実させる時間や子ど もたちと向き合える時間を保障する。生活指導専任の教員を各学校に配置する。
B 知的障害支援学校の「過密・過大」の解消に向け、新設計画を策定する。
C 私立高校授業料「無償化」を来年度以降も現行通り継続する。
D 公立高校授業料無償化の復元や高校奨学給付金の拡充(所得制限の緩和による対象の拡 大や給付金額の引き上げ等)を国に求めるとともに、大阪府独自にでも実施、拡充する。とりわ け、部活動や修学旅行などの経費が十分まかなえるよう、府独自に上限額を引き上げる。
E 「少なければよい」という「いじめ」問題への認識を根本的に転換し、早期発見と問題解決に 全力をあげる。「いじめ」問題の相談・対応にあたる第三者機関(医師、弁護士、教育専門家等 で構成)を設置する。
F 中学校給食は、全員喫食となるよう市町村に対して強く働きかけるとともに、就学援助適用を 支援する府補助を実施する。
G 「大阪府立高校・大阪市立高校再編整備計画」は、「7校程度の募集停止」を撤回し、当面35 人学級へと踏み出す計画となるよう抜本的に見直す。池田北、咲洲の2016年度募集停止はし ない。
H 公立高校の「学区撤廃」の影響を調査・検証し、必要な見直しを行う。
I 教育行政基本条例は廃止する。
J 教育予算を抜本的に引き上げる。給付制や無利子の奨学金制度を拡充するよう、国に求め る。
K 府独自の奨学金制度の拡充・改善をはかる。
L 教育委員の準公選制など、教育委員会の「民主的改革」を進める。

3.ブラック企業規制、安定した雇用と最低賃金引き上げを

@ 大阪府内の経済団体・大企業に対し、賃上げと正規雇用の拡大、中小企業への下請け単価 保障を行うよう強く求める。
A 「ブラック企業規制条例(仮称)」を制定する。国との連携・協力を強化し、「ブラック企業」、「ブ ラックバイト」の実態把握を進め、根絶をはかる。
B 夜間の労働相談日を増やすとともに、メール相談、土日も一部開設する。市町村とも協力し、 相談しやすい取り組みを検討する。
C 国に対して以下の事項を求める。
 (イ) 内部留保を活用した賃上げを経済界に求める。
 (ロ) 最低賃金を引き上げ、あわせて社会保険料負担軽減など中小企業への支援をすすめる。  公契約法を制定する。
 (ハ) 「残業代ゼロ」など、労働法制のこれ以上の規制緩和をやめ、人間らしく働けるルールをつ  くるよう政府に求める。
 (ニ) 労働者派遣法の抜本改正、均等待遇のルールの確立によって、非正規労働者の正規化  を促進する。
 (ホ) 「ブラック企業」を規制し、異常な長時間労働をただし、無法なリストラ・解雇を規制するル  ールをつくる。

4.医療・社会保障の充実

(1) 国民健康保険は広域化せず、市町村の努力支援を
@ 国民健康保険への府の財政負担を2009年の水準に復元するとともに、市町村の独自減免 制度への補助制度をつくる。
A 国民健康保険は広域化せず市町村単位の国民健康保険制度を維持するよう国に強く求め る。
B 子ども医療費補助をはじめとした地方自治体が独自におこなう福祉医療助成制度に対する 国民健康保険の国庫負担金減額措置は廃止するよう国に求める。
C 国民健康保険、介護保険への国庫負担を段階的に増やし、保険料を軽減するよう国に求め る。
D 資格証明書、短期被保険者証の安易な発行はしないよう市町村を指導する。

(2) 救命救急体制の充実で、府民の命を守る
@ 救命救急センター運営費補助金は、国、府、設置者各1/3となっている。千里救命救急セ ンターへの補助金を復活するとともに、全ての救命救急センターの運営に責任を果たし、充実 を図る。
A 2次救急告示病院を増やし、府下全体の救急体制強化を図る。
B ドクターカーの増加、高規格救急車の台数の増、救急救命士の養成など市町村と共に搬送 体制強化を図る。
C がん受診料の府民負担軽減をはかるため、市町村への補助制度を設ける。
D 妊婦健診への国交付金の継続を求めるとともに、府としても負担軽減措置を行う。
E ヒブワクチン、小児用肺炎球菌ワクチンの無料接種を国に求めるとともに府独自助成を行う。 子宮頸がん予防ワクチンについては、安全性の検証をおこない情報を明らかにするよう国に求 める。

(3) 高齢者福祉充実、安心の医療・介護を
@ 改悪された介護保険制度の撤回を国に求めるとともに、介護を必要とする高齢者が締め出さ れないように府としての独自施策を検討する。
A 生活習慣病対策を市町村とともに抜本的に拡充する。低所得高齢者の歯科診療の補助制度 をつくることを検討する。
B 認知症・徘徊対策、公的機関への認知症診断タッチパネルの設置等も含め、認知症や介護 予防事業を市町村とともに取り組み、抜本的に強化する。その際、介護保険事業の枠外の介護 予防事業も大幅に拡充する。
C 高齢者住宅改造助成予算の部分復活を図る。
D 介護保険制度への国負担を10%引き上げるよう求める。
E 生活援助基準時間の短縮、報酬引き下げ、施設給付の削減などによる影響を調査するととも に、本人負担や施設利用、介護関係労働者の実情など介護現場の実情を把握し、改善に努め る。
F 後期高齢者医療制度の廃止及び70〜74歳の医療費窓口負担を1割に戻すよう国に強く求 める。
G 広域型特別養護老人ホーム建設への府補助金を元に戻し、施設を増やして待機者解消をは かる。
H 医療・介護総合法の廃止を国に求める。
I 病床削減や再編の押しつけはしない。府民の医療ニーズに応えた医療体制の整備して全力 をあげる。
J 医師、看護師等の養成・確保を強化し、復帰を応援する。地域医療修学資金をさらに充実さ せる。
K 看護師資格者が就業復帰できるよう支援を強化する。

(4) 障害者支援を強化し、応益負担をやめる
@ 医療型障害者入所施設など、重度障害者の入所施設の整備・建設をすすめる。
A 福祉医療費助成制度を、精神障害者へ適用する。
B 障害者の正規雇用を増やすとともに、対象を難病患者や精神障害者にも広げる。難病患者 の府への採用制度をつくる。法定雇用率達成への小規模企業への支援を強化する。
C 精神障害者の交通機関利用の助成制度を交通事業者に求める。
D 障害者総合支援制度の「応益負担」はすみやかに廃止し、利用料は無料にするよう国に求め る。

(5) 生活保護――受給抑制やめ、ケースワーカー増員を
@ 「申請権を侵害するような行為はしないよう管内福祉事務所を指導する」(2013年11月18日 府議会決算委員会答弁)という立場で、「扶養義務」を過大に解釈した大阪市などの受給抑制 を是正させる。希望する人は、全員、良く話を聞くよう市町村を指導する。
A 国による生活保護基準復元までの間、府の年末一時金を復活する。
B 昨年引き下げられた生活保護基準を元に戻し、扶養義務者への調査強化や書類申請の義 務づけはやめるよう国に求める。
C ケースワーカーの増員を国に求めるとともに、府としても支援する。
D 生活保護世帯へのエアコン設置のための補助制度を創設する。
E 生活福祉資金の融資は無条件で無利子にする。

5.大阪経済振興

(1) 条例を生かして中小企業支援、防災・福祉型事業で暮らし向上、景気回復
@ 中小企業振興条例を生かして、実効ある施策を着実に具体化する。
 (イ) ものづくり支援、商店街活性化に府として本格的に取り組む。「維新プログラム」などによっ  て削減された施策は、基本的に復元する。
 (ロ) 最低賃金の確保、人材確保などへの府の独自助成を具体化する。
 (ハ) 中小企業向け融資の利率と保証料を引き下げる。
A 防災・福祉型公共事業を府の最優先課題の1つに据える。
B 国に公契約法の制定を求めるとともに、府として公契約条例を制定し、企業の利益と労働者 の賃金を保障する。
C 全国628自治体で実施されている住宅リフォーム助成制度を、木造住宅耐震化補強補助な どと組み合わせて実施する。
D 国に対し、地域金融活性化法の制定や中小企業予算の1兆円への増額、下請Gメン創設や 検査官の増員(消費税転嫁含め)を求める。
E 府としても、「下請いじめ」をなくすよう、直接、経済界や大企業に働きかける。

(2) 暮らしに軸足をおいた施策の強化と経済計画の策定
@ 「大阪の成長戦略」は、法人税減税など大企業の「国際競争力」支援のための国際戦略総合 特区やカジノ構想を推進するものになっており、大阪経済をいっそう悪くする。くらしの応援、福 祉の増進、ものづくりをはじめとした中小企業振興、大企業に社会的責任を果たさせることなど を内容とし、大企業も国内で事業を持続できる、府民本位の経済計画を策定する。
A 「グランドデザイン・大阪」は、中央・関空リニア、なにわ筋線、都市再生環状道路など、府民 の暮らしや雇用を置き去りにした新たな産業インフラ整備・大型開発計画となっている。住民参 加で抜本的な見直しをはかる。淀川左岸線延伸部やなにわ筋線はつくらない。淀川左岸線2期 は、中止も含めて見直す。
B 安全・環境・エネルギーなど多くの点で問題がある中央リニア建設工事は認可しないよう国に 求める。
C 「カジノ合法化法案」の廃案を求める。カジノを核としたIR(統合型リゾート)の誘致はやめる。
D 「特区」を活用した雇用、医療、教育、農業、都市開発などの規制の緩和と撤廃、企業を呼び 込む税制の優遇策はやめる。
E 小規模企業振興基本法を活かし、小規模企業の事業の持続的発展をはかる。
F 大阪経済や中小企業の動向を総合的に調査・研究・分析する体制を充実し、府「経済白書」 「労働白書」を復刊する。

(3) 原発ゼロ、新エネルギー普及で雇用と仕事、地球温暖化防止に全力
@ 「即時原発ゼロ」の政治決断をおこない、再生可能エネルギーの大規模な普及と開発をすす めるよう国に求める。
A 福島第一原発の汚染水問題は国の非常事態であり、コスト優先・安全無視の対応をしてきた 東京電力と東電任せにしてきた国の責任は重大である。大阪府として、東電と国に抜本的対策 を講じるよう要望する。
B 住宅太陽光の補助制度の復活を国に求め、府の補助制度を1万件以上に拡大する。屋上や 壁面の緑化、木質ペレットの普及、公共交通の重視など、CO2の削減で環境にやさしい大阪づ くりに総力をあげる。
C 川内原発や大飯原発の再稼働を認めないよう国に求める。関西電力に再稼働しないよう知 事を先頭に強く要請する。
D 学校など公共施設の太陽光発電を普及する。小水力や下水処理場発電、バイオマスなど、 多様な自然エネルギーの施策と予算を拡充する。
E LEDの普及など省エネルギーにつとめるとともに、適切な家庭での節電方法を市町村ととも に府民に普及する。
F 中小企業が、自然エネルギー、自家発電、省エネルギーや環境対策にとりくむ際の府の援助 を強化する。

6.防災と安心・安全のまちづくり

(1) 南海トラフ巨大地震はじめとした地震対策を計画的に進める
@ 南海トラフ地震対策、既存インフラの改修など国民の生命を守る防災・安全対策の推進を国 に要求する。
A 南海トラフ巨大地震による津波に備え、10年以内としている防潮堤の液状化対策を前倒しする。
B 遅れている住宅の耐震化をすすめるため、助成額の引き上げ、部分改修への助成、リフォー ム助成の創設と併用など、対策を思い切って拡大する。
C 湾岸部をはじめ、住宅地の液状化対策を研究・検討する。
D 2020年度までに地震時等に著しく危険な密集市街地を解消するため、関係市と住民の意見 をよく聞き、必要な予算を確保するよう国に求める。住民の住む権利は保障する。
E 道路・橋梁・水道などライフラインの耐震化を急ぐ。
F 府内の水道施設の耐震化計画の推進をスピードアップする。老朽施設の更新、耐震化につ いて、国庫負担措置を求める。
G 長周期地震動対策についての知見を早急に明らかにするよう国に求める。

(2) 水害等、災害対策の強化
@ 河川の老朽護岸対策を予定どおり2016年度末までに終わるとともに、この間の豪雨による大 きな岩や流木の除去を速やかに行い、河川の維持・保全を日常的に強化する。
A 局地的豪雨が起きても家屋流出や人命に影響がないよう緊急5カ年計画をつくり、予算を確 保する。寝屋川流域の時間雨量50_対策を急ぐ。
B 急傾斜地など約6千カ所の土砂災害警戒区域指定予定地域の調査・指定を急ぎ、命と財産 を守る対策をハード、ソフト両面から強化する。河川や渓流、山腹の危険箇所を総点検し、対策 を進めるとともに、災害が発生する前に避難できる体制をつくる。
C ハザードマップの作成支援と周知を図る。
D 市町村と協力して土砂災害等の防災情報を住民に徹底する。
E 高齢者、障害者、難病患者らへの避難誘導、避難場所での配慮など災害時の支援を強化す る。

(3) 安心・安全のまちづくり
@ 歩道、公園などの段差解消等バリアフリーを急ぐ。
A 市町村から要望が出ている信号機設置を可能な限り、スピードアップする。
B 交番設置の要望が出ているところは、緊急性の高いところから設置する。
C 街頭犯罪、性犯罪、オレオレ・振り込め・レターパック詐欺など犯罪から府民を守る。
D 危険ドラッグ対策を府としても強化する。
E 感染症対策を強化する。

7.府営住宅など住宅政策

@ 府営住宅削減計画を見直し、平均応募倍率(24年度19.3倍、25年度13.9倍)を10倍以下に引 き下げるよう、府営住宅を増やす。
A 地位承継の範囲を著しく狭くしている現行の規則を、特に住宅に困窮している低所得者も承 継できるよう改正する。
B 現に利用されている府営住宅内の公園を廃止しない。
C まちづくりへの活用を口実として、府営住宅の目的を曖昧にする、市町村移管はやめる。
D 高齢化対策
 (イ) 中層住宅へのエレベーター設置のテンポを上げる。
 (ロ) 府営住宅管理における入居者の負担を軽減する。
 (ハ) 駐車場管理やふれあいリビングの運営など入居者の活動を応援する。
E 老朽化した団地の耐震改修については、建て替え希望が多ければ、建て替えに変更する。 耐震改修を進める場合は、老朽化対策を実施する。
F 建築基準法第12条に基づく定期報告制度を定着させ、民間建築物の管理を向上させるとと もに、分譲マンション等の管理について相談窓口をつくる。

8.農業の振興、環境保全

@ コメ、果樹、野菜などの供給率を設定し直し、目標を達成する。農林水畜産業を振興・支援す る。
A 大阪産のコメや野菜などを福祉施設や学校給食で使用するよう、市町村と協力してすすめる。
B 地元産品の地域の商業などでの使用をすすめる。
C 間伐材の公共事業への使用の拡大、「一園一室木のぬくもり」事業の推進、まちづくりへの使 用促進など、市町村と協力して林業の振興をはかる。
D 森林保全に計画的に取り組むとともに、森林組合の事業への補助を強める。
E 有害鳥獣対策を強化する。
F 食と農、医療やくらしと雇用・経済を壊すTPP交渉から撤退するよう国に求める。

9.都構想断念、住民自治拡充と民主的・効率的な府政運営

@ 大阪府大阪市特別区設置協議会(法定協)の委員選出に、知事は介入しない。協定書は府 議会と法定協で審議を尽くす。再議権は濫用しない。
A 「二重行政」とされている施策・施設の役割は必ずしも重複、ムダとはなっておらず、複数ある からこそ府民に役立っている場合も多い。府市統合本部がすすめている施設・施策の統廃合は 中止する。とりわけ、下記事項について強く要望する。
 (イ) 府立大学と大阪市立大学の統合は中止し、内容充実をはかる。
 (ロ) 府立体育会館と市立中央体育館は、大阪のスポーツ・文化の振興で重要な役割を果たし  ており、発展させる。
 (ハ) 府立公衆衛生研究所と大阪市立環境科学研究所の統合は中止し、府立公衆衛生研究  所の内容充実をはかる。
 (ニ) 府立産業技術総合研究所、大阪市立工業研究所は統合せず、役割の充実を図る。
B 府市の重要課題を知事や市長、特別顧問・参与らを中心に方向付ける府市統合本部はや め、府市共通の課題は、住民や専門家の意見を良く聞いたうえで、共同して取り組む。
C 道州制に向けた取り組みをやめる。地方自治のいっそうの発展に努め、財源を段階的に充実 するよう国に求める。
D 職員基本条例、職員の政治的行為の制限に関する条例は廃止する。
E 防災、災害復興拠点としては使えず、府民にとって不便な咲洲庁舎からは撤収し、大手前を 中心とした集約計画を策定する。咲洲はじめ湾岸地域の安全なまちづくりを急ぐ。
F 大阪府の事業のこれ以上の外部委託はやめる。独立行政法人化したものも、その是非を検 証し、直営に戻す。
G 地方交付税の復元と引き上げを国に求める。財政悪化の大きな原因をつくった大企業支援 型のインフラ整備・開発型の政治を見直し、ムダのない効率的な府政運営に努める。財政調整 基金等の活用等を含め、暮らしと福祉、中小企業の振興に努め、税収増につなげる。

10.平和と安全、民主主義、現代史問題

(1) 憲法9条解釈改憲の撤回、米軍新基地建設中止
@ アメリカの戦争に自衛隊が「戦闘地域」まで行って軍事支援を行う集団的自衛権行使容認の 閣議決定を撤回するよう国に求める。
A 国民の知る権利や言論・表現の自由を脅かす特定秘密保護法を撤廃し、日本版NSC(国家 安全保障会議)などと一体となった「海外で戦争する国づくり」の法制整備はやめるよう国に求め る。
B オスプレイの八尾空港への配備など、米軍基地の全国への拡散を認める発言は撤回する。
C 沖縄県・辺野古への新基地建設はやめるよう強く国に求める。

(2) 「ピースおおさか」と「近現代史教育施設」
@ 「ピースおおさか」の展示内容は、15年戦争の被害・加害の両面をきちんと伝え、大阪大空 襲だけでなく、歴史の事実と戦争の悲惨さを伝える立場で見直す。前知事が削減した補助金を 一部復元する。
A 靖国神社の戦争展示施設「遊就館」を参考にし、計画立案に「新しい教科書をつくる会」メン バーも参画させるとされている「近現代史教育施設」計画はやめる。

(3)基本的人権の尊重、女性の社会参画支援、文化の振興
@ 民族差別を助長するヘイトスピーチへの厳格な対応を求める。表現の自由、集会・結社の自 由は保障する。デモ等への不当な規制・介入はしない。
A 「人権問題に関する府民意識調査」は中止する。
B 女性の社会参画を促進する。シェルターの確保等、DV、ハラスメント等の対策を推進するとと もに、出産・育児等をきっかけにした「退職勧奨」などを含めた「パワハラ」「セクハラ」を許さない 職場・社会づくりに努める。
C 文化の振興を図る。若者の文化・スポーツ・芸術の交流・発信への支援を強める。













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