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大阪知事へ予算要望 党府議団 子ども医療費助成など

 日本共産党大阪府議団は11日、2014年度の予算編成と施策の基本方向について松井一郎知事に要望しました。
 要望は、「景気は確実に持ち直し」とした8月の月例経済報告と府の失業率5.2%、就業者数2万1000人減という状況の格差を指摘。消費税増税と社会保障改悪で暮らしと経済の悪化が懸念されるなか、大阪の明日の展望を開くための予算編成をおこなうことを強く求めています。
 具体的には▽子どもの医寮費助成の就学前までの拡充▽35人以下学級の府独自の実施▽国保料への国の負担率と府の補助金の増額▽千里救命センターへの補助金復活と3次救命センダーの機能強化▽南海トラフ地震に備えた防潮設備の点検・改善▽原発再稼働を認めないよう国と関西電力に求めるなどです。
 また、「大阪都」構想の具体化は、住民福祉と地方自治に反するとして中止を求めています。
 応対した植田浩副知事は、防災対策について「待ったなしの緊急の課題。必要な措置をとる」と答えましたが、他の問題に関しては明確な周答を避けました。
 宮原威府議団長は「府の財政調整基金1442億円の2割を取り崩せば要望の中身はすぐ実行できる。府民の暮らしがよくなれば税収が増え、投入した分を回収することもできる」と述べました。
 朽原亮、堀田文一、曽呂利邦雄の各府議が参加しました。



「しんぶん赤旗」2013年9月14日付より



「2014年度予算編成と施策の基本方向についての要望」は以下の通りです。

大阪府知事 松井 一郎 様

2013年9月11日
日本共産党大阪府議会議員団
団長 宮原 威

2014年度予算編成と施策の基本方向についての要望


はじめに

 8月の月例経済報告では、「景気は確実に持ち直し」と書かれているが、国民の家計消費の拡大や雇用改善にもとづくものではない。大阪の失業率(4〜6月期)は5.2%と全国で45位の状況で、対前年比0.2ポイント改善されたものの、就業者数は21千人も減り、大阪の雇用は後退している。
 労働力調査では、大阪の雇用に占める非正規の職員・従業員率は38.4%で、全国の36.2%より高い。厚生労働省はようやく、退職率が異常に高い「ブラック企業」の調査を開始したが、改善はこれからである。
 毎月勤労統計調査によると、7月の所定内賃金は26万957円で、14か月連続で減少している。勤労者の生活は依然として厳しい。
 このような雇用の深刻さと収入減が、日本経済を冷え込ませている最大の原因である。
 政府は2014年度政府予算編成に向けて概算要求をとりまとめた。内容は、防衛力強化、「成長戦略」、公共事業拡大などが中心となっている。今後、消費税増税や社会保障改悪などによる庶民負担の拡大と大企業減税の推進、福祉・教育の大幅な歳出削減などで、暮らしと経済の悪化が懸念されている。
 このような中で、貴職は2014年度大阪府予算の編成作業に取り組まれる。その際、下記の事項を基本に、本要望書に掲げた府民要求を積極的に受けとめ、大阪の明日の展望を開くための予算編成をおこなうよう強く要望する。

 1 府民の暮らしと雇用の改善、中小企業振興と地域経済活性化、大企業に社会的責任を求めることを基本に予算を編成する。

 2 大地震・大津波など、災害に備える対策を着実に進める。

 3 子育て支援と教育充実に力を入れる。

 4 憲法を守り、消費税増税と社会保障改悪の中止を国に強く求めるとともに、府として福祉・医療の充実につとめる。


1.積極的に実施すべき項目

(1)子育て支援

 @子ども医療費助成制度の対象年齢(通院分)を、現在の2歳までから当面就学前までに拡充する。
 A子ども家庭センターの児童福祉士や児童心理司など、児童虐待に対応する職員体制をいっそう充実する。
 B「子ども・子育て支援法」の撤回を国に求めるとともに、保育に対する公的責任を果たす。
 C国や市町村と協力し、認可保育所を増設して待機児解消をはかる。「安心こども基金」の延長を国に求める。

(2)子どもたち一人ひとりを大切にする教育を確立する

 @教育条件の改善・拡充
  ア.35人以下学級を小学校1・2年から拡大するよう国に求めるとともに、当面、大阪府独自に小学3年・中学1年での35人学級を実現する。
  イ.正規教員を増やすなど教員の負担軽減を図り、「教育に穴が開く」事態や教職員の多忙化を解消し、授業内容を充実させる時間や子どもたちに向きあう時間を保障する。高校入試での「採点ミス」をなくす。
  ウ.公立高校授業料無償制度に所得制限を設けないよう国に求める。国が所得制限を設けた場合も府独自に無償化を継続する。
  エ.私立高校授業料無償制度を現行通り継続する。私学経常費助成は国標準額を確保する。
  オ.支援学校の「過密・過大」解消へ、新たな増設計画を策定する。
 A「いじめ」問題への学校現場の取り組みを支援する
  ア.「いじめ」を早期に発見し、隠蔽することなく、機敏で適切に対応するため、学校、教育現場での連携・協力を強化する。
  イ.「いじめ」問題などの相談・対応にあたる第三者機関(医師、弁護士、教育専門家等)を設置する。
 B教育委員会の「改革」に向け、教育委員の準公選制について検討を開始する。
 C給付制大学奨学金の実施を国に求めるとともに、府独自の奨学金制度を検討、創設する。

(3)高齢者施策

 @後期高齢者医療制度の廃止及び前期高齢者の医療費負担を1割に戻すよう国に強く求める。
 A特別養護老人ホーム建設への府補助金を元に戻し、施設を増やして待機者解消をはかる。
 B高齢者のための住宅改造事業の復活を検討する。

(4)障害者施策

 @福祉医療費助成制度は継続し、精神障害者への適用を拡大する。
 A医療型障害者入所施設など、重度障害者の入所施設の整備・建設をすすめる。
 B障害者の正規雇用を増やす施策の充実と、雇用率の引き上げを強化する。
 C精神障害者の交通機関利用の助成制度を事業者に求める。

(5)国民健康保険、介護保険、医療

 @国民健康保険・介護保険制度の広域化はしない。
 A国保料引き下げのために、国保会計の支出を1980年代の水準に戻すよう国に求めるとともに、府としても一般会計からの繰入を1990年代なかばの水準に復元する。
 B介護保険会計への国の補助率を25%から30%に増やすよう求める。
 C介護保険制度の改悪に反対し、「保険あって介護なし」の状況の改善を国に強く求める。
 D千里救命救急センターへの補助金を復活するとともに、3次救命救急センター運営改善のための府補助増額で機能強化をはかる。
 E2次救命病院を増やすとりくみと施策を強める。
 Fがん検診受診料の負担軽減をはかるため補助制度を設ける。
 G妊婦健診への国交付金の継続を求めるとともに、府としても負担軽減措置を行う。
 Hヒブワクチン、小児用肺炎球菌ワクチンの無料接種を国に求めるとともに府独自助成を行う。子宮頸がん予防ワクチンについては、安全性の検証をおこない情報を明らかにするよう国に求める。

(6)生活保護

 @生活保護基準の改悪撤回を国に求める。
 A生活保護を憲法25条と生活保護法の精神に基づいて公正に運用するよう市町村を強く指導する。
 B生活保護法見直しによる、受給抑制、親族扶養義務強化、医療抑制など権利侵害にならないように市町村を指導する。
 Cケースワーカーの増員を国に求めるとともに、府としても支援する。
 D生活保護を受けていない低所得者や、年金を受給していない生活保護世帯もエアコンを設置できるよう、社会福祉協議会の融資を改善する。

(7)府営住宅

 @生活保護基準の改悪を、家賃減免の基準に連動させない。
 A府営住宅削減計画を見直し、応募倍率を引き下げる。建て替え戸数は、現管理戸数を基本とする。
 B地位承継を著しく狭めている現行の規則を、住宅に困窮し府営住宅への申込資格を有する低所得者も承継できるよう改正する。
 C入居者の高齢化・低所得化と、駐車場を管理する自治会の大幅減少に対応して、府営住宅の管理や共益費についての自治会や入居者の負担を軽減する。
 D現に利用されている府営住宅内の公園は、廃止せず、売却しない。
 E府民の府営住宅に申し込む権利を狭める府営住宅の大阪市移管はやめる。

(8)雇用・労働

 @正規社員の増加などを大企業に強く求める。
 A「ブラック企業」の実態を把握して、その是正を国と協力してすすめる。
 B国に最低賃金引き上げを求めるとともに、府独自に支援策を検討する。
 C府内新規就業者に住宅入居優遇制度を設ける。
 D「新しごと館」を、利用者や府民の声を反映させて充実させるなど、若者の就業対策を強める。
 E労働基準法の内容を周知する冊子を、高卒時に配布する、関係機関に常備するなど、労働者の権利や働き方についての広報を強める。

(9)中小企業、農林水産業の振興

 @中小企業向け融資への預託金を元に戻すなど制度の改善をはかる。
 A中小企業振興基本条例を具体化するため「中小企業振興会議(仮称)」を立ち上げ、中小企業振興計画を策定する。また条例の「基本方針」具体化のための施策を検討するワーキンググループを中小企業参加で立ち上げる。
 B中小企業向け予算、商店街活性化予算について地域経済振興のために必要な予算を確保する。その際、「維新プログラム」などによって削減された施策の復元を検討する。
 C中小企業の求職、求人を支援する。若年者を正規雇用する中小企業への支援金等を検討する。
 D「大阪府公契約条例」を制定する。官製ワーキングプアをなくす。
 E地産地消の目標を設定し、農林水産業の振興をはかる。

(10)防災対策

 @大阪府がまとめた津波高の想定に基づき、海岸・河川の防潮施設の総点検と液状化対策をすすめ、防潮施設で津波被害を防止できるよう計画的に改善を進める。想定を超える高さの津波に対しても人命が守られるよう、避難施設を整備し、避難態勢をつくる。
 A住宅耐震化率の2015年度90%達成目標が困難であることを深刻に反省し、耐震改修助成を大きく拡大する。
 B液状化対策をすすめるために、住宅など民間施設に対する助成制度を作る。
 C道路・橋梁・水道などライフラインの耐震化をすすめる。
 D遅れている密集市街地対策の取り組みを強化する。
 E危機管理室の体制を充実して、過去の津波・地震の痕跡・記録をくまなく掌握するとともに、府民の防災力を大きく育て、大阪の防災体制を強化する。
 F寝屋川地下河川の整備をさらに促進する。
 G遅れている私立学校の耐震改修を推進する。

(11)大飯原発などの再稼働に反対し、自然エネルギー拡大、省エネルギー社会の実現を

 @福島第一原発の汚染水問題は国家の非常事態であり、コスト優先・安全無視の対応をしてきた東京電力と東電まかせにしてきた国の責任は重大である。大阪府として、東電と国に抜本的対策を講じるよう要望する。
 A大飯原発や高浜原発の再稼働を認めないよう国に求める。関西電力に、再稼働しないよう知事を先頭に強く要請する。
 B住宅太陽光の融資制度の利率をゼロにし、目標件数と予算を大幅に増やす。学校など公共施設の太陽光発電を普及する。小水力や下水処理場発電、バイオマスなど、多様な自然エネルギーの施策と予算を拡充する。
 C屋上や壁面の緑化、木質ペレットの普及、公共交通の重視など、CO2の削減で環境にやさしい大阪づくりに総力をあげる。
 DLEDなど省エネルギーにつとめるとともに、適切な家庭での節電方法を市町村とともに府民に普及する。
 E中小企業が、自然エネルギー、自家発電、省エネルギーや環境対策にとりくむ際の援助を検討する。

(12)水道料金引き下げなどのために、府として大阪広域水道企業団に以下の4点を求める

 @水需要予測を、過去の推移や今後の人口予測などを参考に検討し、引き下げる。
 A設備更新計画の事業費(2870億円)を、水需要予測の引き下げにもとづき大幅に見直す。
 B施設の耐震化計画の推進をスピードアップする。
 C市町村と協力し、技術系職員の確保を計画的にすすめる。


2.現在、府がすすめようとしている政策に対して

(1)「大阪都構想」・府市統合本部・施設等の統廃合について

 @府市統合本部を事実上の"司令部"にした府政運営は根本的にあらため、統合本部は廃止する。
 A「二重行政の解消」として大阪府と大阪市の施策・施設の統廃合がすすめられているが、それぞれの施策・施設の役割は必ずしも重複しておらず、複数あるからこそ府民に役立っている場合も多い。府市統合本部がすすめている施設・施策の統廃合はすべて中止する。
  とりわけ、
  ア.府立大学と大阪市立大学の統合は中止し、府立大学の内容充実をはかる。
  イ.府立公衆衛生研究所と大阪市立環境科学研究所の統合は中止し、府立公衆衛生研究所の内容充実をはかる。
  ウ.府市の信用保証協会の統合は中止し、中小業者への金融支援を強める。
 B大阪都構想の具体化は、住民福祉と地方自治に反するものであり、中止する。知事と大阪市長が「大阪都」実現によって4千億円〜8千億円もの財源が生まれてくるかのようなごまかしをしてきたことには、厳しく反省を求める。大阪都構想を前提にした大阪府・大阪市特別区設置協議会は廃止する。

(2)教育

 @2018年度までに公立高校7校を募集停止にする計画は撤回する。
 A公立高校の学区撤廃を中止し、生徒を過度の競争に追い込むことをやめる。公立高校入試の前・後期の配分については、不合格者の激増を防止し、中学校での進路指導が困難にならないよう改善する。
 B学校・教育現場に競争と管理、分断を持ち込む「学校評価」や「教員評価」は行わず、学校・教育現場の自主性を保障し、教職員や保護者の協力・連携を強化する。
 C公立高校での教科書選定は、学校現場の選定結果を尊重し、教育委員会は介入しない。

(3)「成長戦略」と「グランドデザイン大阪」

 @「大阪の成長戦略」は、法人税減税など大企業の「国際競争力」支援のための国際戦略総合特区やカジノ構想を推進するものになっており、大阪経済の再生にはつながらない。中小企業・地域経済振興を中心にすえたものに抜本的に見直す。
 Aグランドデザイン大阪は、中央・関空リニア、都市再生環状道路など、府民の暮らしや雇用を置き去りにした新たな産業インフラ整備・大型開発計画となっている。住民参加で抜本的な見直しをはかる。安威川ダム建設は中止する。
 Bくらしの応援、福祉の増進、ものづくりをはじめとした中小企業振興、大企業に社会的責任を果たさせることなどを内容とした、府民本位の「成長戦略」を策定する。

(4)米軍オスプレイ訓練を八尾空港で受け入れるなど、米軍基地の全国への拡散を認める発言はただちに撤回する。

(5)「ピースおおさか」と「近現代史教育施設」

 @「ピースおおさか」の展示内容を大阪大空襲に特化する計画は見直し、歴史の事実と戦争の悲惨さを伝える立場で充実させる。前知事が削減した補助金を元に戻す。
 A靖国神社の戦争展示施設「遊就館」を参考にし、計画立案に「新しい教科書をつくる会」メンバーも参画させるとされている「近現代史教育施設」計画はやめる。

(6)職員

 @地方公務員法でも禁止されていない政治団体機関紙の配布やデモ行進の企画・組織、集会での意見表明などを禁止する「職員政治活動制限条例」の知事提案はしない。
 A職員の5%を必ず最低ランクに位置づける職員基本条例は廃止する。
 B公務員の規範に従い、警察官の不祥事を根絶する。

以 上












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