大阪府知事 松井 一郎 様
2013年5月30日
日本共産党大阪府議会議員団
団長 宮原 威
急激な円安に伴う原材料価格高騰等に対する緊急対策等についての要望
政府が日本銀行とともに進めている「大胆な金融政策」が円安を加速させている。金融緩和の目的は人為的に物価を引き上げることであるが、投機マネーは今後の金融緩和でさらに円安が進行することを先取りし円売りに動いている。
輸入物価の上昇で打撃を受けているのが国民生活と中小商工業者である。
ガソリン、灯油、小麦などの食料品の値上げなどが国民のくらしを直撃し、燃油の高騰でイカ釣り漁船が休業するなどすでに数々の悪影響が出ている。
また、中小企業では、資材価格の値上がりに苦しんでおり、中小企業家同友会全国協議会が行った1〜3月期の景況調査では、製造業が特に厳しく、マイナス幅が拡大しており、その主要な原因が急激な円安による仕入れ単価の上昇である。「アルミの仕入れ単価が3割上がったが納入単価は上がらない。大変だ」等の声が上がっている。
大阪商工会議所の5月の調査によると「円高是正」による影響について、「マイナス面の影響が大きい」が37.7%と「プラス面」の25.6%を大きく上回っており、原材料費の上昇分を価格転嫁できないことが「マイナス面」の大きな要因となっている。
日本商工会議所の岡村正会頭も「さすがに(1ドル)100円を超すと燃料高、原材料高で経営を圧迫される企業が出てくる。中小企業の8割方は、かなり厳しい対応を迫られる」と懸念を示している。
中小商工業の街である大阪府としても必要な対策を講じることが求められており、当面直ちに下記を実施するよう求めるものである。
記
一. 急激な円安による原材料価格の上昇等による府内中小商工業者への影響調査を実施し実態を把握する。
二. 運転資金等資金繰りに苦しむ中小商工業者に対する無利子無担保の緊急特別融資など金融支援を強める。
三. 運送業や水産業等への緊急支援策を検討する。
四. 下請け駆け込み寺の機能充実を図る。
五. 政府に対し、下記を求める。
@ 異常な金融緩和路線などの経済政策をくらし重視、国民所得増など実態経済を温める経済政策に改める。
A 急激な円安を抑制する。
B 国際的に投機マネー規制を呼びかける。
C 消費税増税は行わない。
D 下請け取引の適正化への監視強化等、実効ある取組を強化する。
E ものづくり中小企業・小規模事業者試作開発等支援補助金の拡充とより使いやすい制度への改善。
以上
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