橋下暴言追認の大阪府知事共産党府議団が抗議

　日本共産党大阪府議団は１６日、橋下徹大阪市長の「慰安婦は必要だった」などの暴言を松井一郎知事が追認していることは重大だと抗議し、見解を問う質問状を同知事あてに提出しました。
　松井知事は、「（慰安婦制度が）現実にあったというのは必要とされていた」と容認。橋下市長が米軍司令官に「もっと風俗業を活用してほしい」と求めた件では、「米軍関係者は風俗店で楽しんで」と述べていました。
　宮原威団長は橋下、松井両氏の発言について、性奴隷被害者と国民を傷つけ、風俗店の勧めが基地被害に苦しむ沖縄県民をさらに傷つけるものだと撤回を要求しました。市長発言が「大阪のアジア、世界での地位を大きく失墜させる。追認などあってはならない」と批判。▽植民地支配と侵略への反省がない▽「慰安婦」制度は必要だったと考えているのか▽米軍には沖縄県民の生命と尊厳が著しく脅かされている事態に厳重に抗議することではないか――と指摘し、回答を求めました。
　応対した小西禎一副知事は「知事に伝える」と述べました。
　提出後、党府議団は記者会見。宮原団長が「慰安婦は必要だった」との橋下市長の発言の取り消しを求める決議案を５月府議会に提出することを明らかにしました。（５月１６日付「しんぶん赤旗」より）

「しんぶん赤旗」2013年5月16日付より

日本共産党府議団が提出した抗議・質問状は以下の通りです。

大阪府知事
松井　一郎　様

２０１３年５月１６日
日本共産党大阪府議会議員団

「慰安婦」問題や村山首相談話に関する橋下市長の発言への松井知事の言動は重大
－反省とともに質問への回答を求める－

　橋下大阪市長は１３日、旧日本軍「慰安婦」問題について、「『慰安婦』制度が必要なのは誰でも分かる」と、「慰安婦」制度そのものを正当化する発言を行った。また、過去の植民地支配と侵略を謝罪した村山談話（１９９５年）についても「『侵略』に学術上きちんとした定義はない」「敗戦の結果として侵略だということは受け止めなければならない」とのべた。１５日にも橋下市長は「慰安婦」問題について「容認はしていない」としながらも、「必要だったというのは客観的な事実」と発言した。
　これまでも橋下市長は、「強制連行されたという証拠があれば韓国の皆さんに出してもらいたい」（２０１２年８月２１日）、「河野談話（１９９３年）は日本政府の大失態」「かわいそうという気持ちは起こるが、謝罪とは別だ」（２０１２年８月２４日）などとのべてきた。今回の発言はそれにつながるもので、たまたま不用意に発言したというものではない。
　これについて、松井知事は１４日、「（『慰安婦』は）現実にあったわけで必要とされていた」と追認する発言をおこなった。米軍司令官への「もっと風俗業を活用してほしい」という橋下市長発言についても、「米軍関係者は風俗店で楽しんで」と擁護する発言をおこなった。
　こうした一連の橋下市長・松井知事の発言は、少なくとも以下の３点のような重大な誤りにもとづくものであり、首長としても日本の政治家としても、根本からその資格が問われる発言である。また、アジアや世界での大阪と日本の地位を大きく低下させるものである。よってわが党府議会議員団は、知事に反省とともに以下の点について回答を求める。

１　日本による植民地支配と侵略についての反省がないのではないか。

２　韓国等の女性を性奴隷にしたことで、今なお韓国等には人間の尊厳を傷つけられ苦しんでいる被害者が存在しているにもかかわらず、その人々をさらに傷つけることに思いは至らないのか。「慰安婦」制度は必要だったと考えているのか。

３　「（在沖米軍に）もっと風俗業を活用してほしい」などという発言は、基地被害に苦しむ沖縄県民や女性の心を傷つける以外の何ものでもない。本来、知事や公党の幹部が行うべきは、人権の尊重であり、沖縄県民の生命と尊厳が著しく脅かされている事態に対し米軍に厳重に抗議することではないのか。

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