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私学助成充実さらに/党大阪府議団が知事に要望
日本共産党大阪府議団は21日、府の私学助成と後期中等教育の充実を求める橋下徹知事あての要望書を提出しました。
府の新年度予算案は、私立高校の授業料無償化を年収610万円まで拡充するなどの一方、学校運営費(経常費)助成については小学校50%、中学校35%と大幅カット、高校は昨年同様10%をカットします。小学校への1人当たりの助成額は、府は11万5000円で全国最低レベル(国標準約30万円)となり、私学関係者からは、施設・設備の教育条件の悪化、人件費削減のための教職員の非正規化、授業料値上げなどの心配の声が寄せられています。
また、経常費助成の配分基準を小規模な高校に手厚く配分されていた方式から、生徒数に応じた方式に変えるとともに、「がんばる学校」の「パフォーマンス評価」で特別加算し、「公私間の生徒の流動化が進み、府立高校のさらなる再編整備も検討する」としています。
要望書は、「教育の中身の充実よりも生徒獲得競争に追い立てられてしまう」「教育の中身や目的がゆがむ危険性がある」と指摘。▽私学助成のさらなる拡充▽私立幼・小・中・高校への経常費助成を国標準額まで戻す▽経常費助成は現行基準を維持する▽府立高校の再編整備計画は府民、生徒、学校関係者の意見をよく聞く−の4点を要望しています。
応対した綛(かせ)山哲男副知事は、「議会で十分ご議論いただければありがたい」と述べました。
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「しんぶん赤旗」2011年2月23日付より |
日本共産党府議団が知事あてに提出した要望書は以下の通りです。
大阪府知事 橋下 徹 様
府の私学助成と後期中等教育の充実を(要望)
2011年2月21日
日本共産党大阪府会議員団
府は2011年4月からの私立高校新1年生対象とする授業料無償化拡充の予算案を2月議会に提案しています。府「支援補助金」制度で、年収610万円未満の世帯の新入生は授業料無償とするものです。また年収610万円から800万円未満の世帯は保護者負担が10万円となり、合わせて約7割の世帯がカバーされます。父母の願いである負担軽減をすすめるものです。入学金軽減含め、さらなる学費軽減をすすめるようもとめます。
一方、私立幼・小・中・高の学校運営費(経常費)助成の大幅削減や配分見直しは、子どもと教育にとって大きな問題点があります。
これまでも、府は「財政再建プログラム(案)」により、私学の幼・小・中・高の学校運営経費(経常費)助成をカットしてきました。今回は「財政構造改革プラン」でさらに小学校、中学校での削減幅を大きくし、国から府に入る私学運営のための生徒一人当たりの補助金を、小学校50%カット、中学校35%カット、高校は昨年同様10%カットする計画です。小学校への一人当たりの国標準額は約30万ですが、府は11万5千円しか補助していません。これは全国最低のレベルです。私学の運営は、保護者からの学費と国・府からの補助金でなりたっています。保護者からは、「不登校やいじめなどの事情があって私学に通わせている」「今でも学費の負担はたいへん」、学校関係者からは「今現に、私立の小中学校に通っている子どもたちも府は大切にしてほしい」との声もあがっています。経常費助成の大幅カットによって、施設・設備の教育条件の悪化、人件費を削るために教職員の非正規化、授業料の値上げなどが心配されます。私学で学ぶ子どもたちの「教育の機会均等」の原則を壊し、憲法・教育基本法・私学振興助成法の精神に反するものです。
さらに学校運営のための「経常費助成配分方式の見直し」は、私学教育を根本からゆがめてしまう大きな問題点があります。
一つは生徒の頭数分だけ、高校に補助金を出すという「パーヘッドの原則」です。府は私学間の切磋琢磨を促すためとしていますが、各校は教育の中身充実よりも、いかに大勢の生徒を集めるかの「生徒獲得競争」に追い立てられてしまいます。
もう一つは「がんばる学校」の「パフオーマンス評価」での特別加算です。
府が私学の教育内容を、勝手に評価し補助を加算するなどは、行政の教育への介入です。私立高校への経常費助成は、これまで学費が安い、少人数学級を実施している、教員数が多いなど、結果として、生徒にとって教育条件の改善がすすんでいる小規模な高校に手厚く配分される方式となっていました。
昨年11月、箕面市議会に、市内にある箕面学園、聖母被昇天学院、関学千里国際学園は意見書を提出しました。3校は学費の差はありますが、ともに「小さな学校園」を目指してきました。意見書は「小さな規模で、アットホームな雰囲気でやっていこうとする学校の存在を認めないやり方」「『目に見える成果による上積み』は公費助成と引き替えに私学教育の内容に介入するものと言わざるをえない」と述べています。府の配分見直し提案は、教育の中身や目的がゆがむ危険性があります。
「改革プラン」には公立・私立間の学費差が縮まって、競争条件が整ったことで、公私間の生徒の流動化が進むと予測し、将来には府立高校のさらなる再編整備も検討するとしています。府は小・中・高の少人数学級実現など、どの子にもゆきとどいた教育がおこなえるよう教育条件整備をすすめ、大阪の公立、私立の公教育をしっかり守るよう、以下を要望します。
記
1. 私学助成をさらに拡充し、私立幼・小・中・高等学校の教育を充実させること
2. 私立幼・小・中・高等学校への経常費助成を国標準額まで戻すこと
3. 経常費助成配分見直しの「パーヘッド単価方式」、「パフォーマンス評価」特別加算をやめ、現行基準の維持をはかること
4. 府立高校の再編整備計画については府民、生徒、学校関係者の意見をよく聞くこと
以上
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