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暮らし・中小企業応援に/大阪府の来年度予算/党府議団が知事に要望

 日本共産党大阪府議団(宮原威団長)は11日、「2011年度予算編成と施策に関する重点要望並びに当面する府政運営についての緊急要望」を橋下徹知事に提出し、懇談しました。
 くち原亮政調会長が、完全失業率が6.3%(今年1月〜3月) と全国最悪のもと、「いま必要なことは、府政の軸足を暮らしと雇用の応援、中小企業への支援において広域的地方自治体の役割をしっかり果たすことだ」と指摘。@「中小企業振興室(局)」(仮称)の設置、借りやすく返しやすいよう制度融資を充実・改善し、保証料率を引き下げる。中小企業家や専門家が参加する中小企業施策の検討・提案機関の設置など、暮らし応援・中小企業支援A福祉医療制度を現行より後退させない。住民負担増につながる国保料の府内統一化は行わないなどの医擦・社会保障の充実B正規教員の採用を増やし、私立高校への授業料支援金制度を拡充する。府の子ども家庭センターの専門職の増員や一時保護所の増設など児童虐待への体制強化など教育・子育て支援C「財政再建」「地域主権」を口実にした府民向け施策の縮減をやめ、新たな大規模開発を志向し、地方自治の拡充・府民福祉増進に逆行する大阪都・関西州構想は改め、地方自治体本来の役割発揮に努める−など四つの柱での要望書の中身を説明しました。
 懇談では、各府議が、児童虐待対応の体制の強化や府営住宅の増設、教育条件整備などを要望。知事は、児童虐待防止へ府の体制の強化は必要との認識を示しましたが、府営住宅の増設には背を向けました。

「しんぶん赤旗」2010年8月12日付より


党府議団が知事に提出した「2011年度予算編成と施策に関する重点要望並びに当面する府政運営についての緊急要望」と、
あわせて提出した、国民健康保険料の「府内統一」の撤回を求める要望書は以下の通りです。

2010年8月11日

大阪府知事 橋 下 徹  様

日本共産党大阪府議会議員団
団 長  宮 原 威

2011年度予算編成と施策についての重点要望並びに当面する府政運営のついての緊急要望



はじめに


 1997年からの10年間、日本の経済成長率は0.4%と停滞し、雇用者の賃金は5.9%も減少した。府内経済の落ち込みはより大きく、同期間でマイナス4.8%、賃金の減少率は11%を超えている。今年1−3月期の大阪の完全失業率は6.3%で全国最悪水準であるなど、府民の暮らしは厳しさを増している。
 一方、資本金10億円以上の大企業は、この間、経常利益を15兆円から32兆円へと倍増させ、内部留保金を142兆円から229兆円へと1.6倍に増やすなど、利益をため込んだ。
 一握りの大企業に富が集中する一方で、「貧困と格差」が拡大し、地域経済が疲弊するという事態を招いたのは、「構造改革」、「国際競争力」の掛け声で、大企業優遇税制の実施、派遣労働の原則自由化による雇用破壊や下請単価たたきなど、国民と中小企業に痛みを押し付け、社会保障抑制や、それによる将来不安とも相まって国民の懐を冷え込ませてしまったためである。
 大阪でも、横山府政のもとで1998(平成10)年から始まった「財政再建プログラム(案)」と、これを引き継いだ太田府政による2回にわたる行財政計画案が強行された。財政危機の大きな原因の一つである関西空港2期事業やりんくうゲートタワービル、国際会議場建設など不要不急の大型開発はそのまますすめられ、大企業誘致に巨額の税金がつぎ込まれる一方、無料だった65歳以上の医療費の有料化をはじめ、教育や福祉への府の独自施策の多くが削られてきた。さらに、橋下現府政による「『大阪維新』プログラム(案)」によって、私学助成の改悪、中小企業・商工業予算の削減などがおこなわれてきた。
 これら一連の計画に共通する特徴は、国政でのゆき過ぎた大企業優遇・社会保障や労働法制の改悪によるワーキングプアの拡大などには異議をとなえず、福祉・医療・教育での府の役割を縮小・放棄してきたことである。
 こうした府政運営が、大阪での「貧困と格差」を拡大し、各行政区間の行政水準のアンバランスを加速させてきた一因である。
 今、必要なことは、大企業の国際競争力を応援する一方で、国民と中小企業に犠牲を押しつけ、社会保障を抑制してきた国政と府政のあり方を転換し、府政の軸足を、暮らしと雇用の応援、中小企業への支援において、広域的地方自治体の役割をしっかりと果たすことである。
 また、国と地方の財政難の原因にメスを入れ、福祉・教育・医療などでの府の独自施策を段階的に復元・開始しながら、中小企業振興など大阪経済振興のスタートをきることが必要である。
 さらに、大阪では、昨年度の児童虐待の相談件数が全国で2番目に多い4354件に達し、今年に入っても死亡事件が4件に上るなど深刻な事態となっている。児童虐待は、「貧困」の広がりなどが背景にあり、児童虐待への対応強化とともに、子育て支援強化も緊急の課題である。
 以上の立場から、来年度予算編成と施策に関する重点要望と、9月補正予算並びに当面の府政運営について提案、要望する。




2011年度予算編成と施策に関する重点要望


1.暮らしの応援、中小企業支援−−大企業の国際競争力偏重の転換、活力あるまちづくりを−−

(1)道路や鉄道、空港、港湾などインフラ整備に巨額の税金を投入し、相次ぐ法人税引き下げなど大企業の「国際競争力」支援に偏重した経済政策を、国民の暮らしに基礎を置いた内需拡大重視へと改めるよう国に求める。府としても同様の立場で府民生活の向上と地域経済の活性化に努める。
(重点要望)
 @ 法人税引き下げの国際競争の中止を呼びかけるよう国に求め、府の「法人税特区」構想は撤回する。
 A 淀川左岸線延伸部、なにわ筋線建設など不要・不急のインフラ整備は行わない。
 B 大企業誘致のための補助金等優遇制度を見直す。
 C 「小規模金融特区」構想は撤回する。

(2)中小企業振興を抜本的に強化する。「中小企業振興室(局)」(仮称)を設置し、福祉、環境、農林水産、教育、土木、建築などの部局とも連携した総合的、効果的な対策を講じる。とりわけ中小企業の大半を占める小規模事業所の振興に力を入れる。安心・安全・快適なまちづくりでコミュニティの向上と地域経済の活性化を図る。
(重点要望)
 @ 国に中小企業予算の拡充を求める。
 A 中小企業向け官公需発注比率を、小規模事業所に配慮し、いっそう高める。
 B 住宅リフォーム助成、農林水産物・間伐材等の地産地消、公共事業の分離分割発注など他部局と連携した効果的な対策を講じる。中小業者の相談等の窓口を統一する。
C あんしん川づくり事業、道路・駅舎・施設等のバリアフリー化推進、住宅バリアフリー化支援など、安心・安全・快適なまちづくりの事業を進め、地元中小企業にも仕事が回るようにする。
 D 地域経済・産業・雇用などについての調査・研究能力を高め、成果を中小企業振興、府民生活向上に生かす。全事業所の実態調査を行う。
 E 中小企業家や専門家が参加する中小企業施策の検討・提案機関を設置する。
 F 福祉施設等の耐震化を促進し、施設に近接するがけ地などの危険箇所を早期に改善する。
 G 小規模事業経営相談事業など経営相談、支援体制を充実する。

(3)雇用破壊による貧困の拡大を許さないために、労働者派遣法を「労働者保護法」へと抜本改正するよう国に求めるとともに、府として正規雇用の拡大を大企業に要請し、雇用の実態をつかみ、状況に即した対策を講じる。
(重点要望)
 @ 派遣切り、サービス残業など職場の労働実態や、非正規など不安定な状態に置かれている青年らの雇用実態を調査し、就労支援とともに職業訓練、住居・生活支援などに反映する。
 A 高卒生などを府として短期雇用し、就職活動を支援する。
 B 最低賃金の時給1000円への引き上げと中小企業への必要な支援を国に働きかける。府の最低賃金引き上げに力を入れる。
 C 府立高等職業技術専門校や大阪障害者職業能力開発校で行っている職業訓練を充実し、定員を拡大する。
 D 労働相談、JOBカフェOSAKA等を充実する。

(4)中小企業金融は、事業所・企業と地域経済を育成する視点で行う。銀行等金融機関に、貸し渋り・貸しはがしをせず、中小企業向け金融の円滑化を図るよう求める。府の制度融資についても機械的一面的な審査でなく、事業所・企業の技術や従業員等のやる気など実質的総合的に評価し実行する。融資に際し、経営診断・相談体制を強化する。
(重点要望)
 @ 預託金廃止など、制度融資改悪は行わない。セーフティーネット金融の金利負担は、増大でなく引き下げの方向で検討する。
 A 責任共有制度の撤廃を国に働きかける。
 B 借りやすく返しやすいよう制度融資を充実・改善し、保証料率を引き下げる。
 C リーマンショックなど非常時における返済猶予などの対策の延長、充実を国に求め、府としても取り組む。

(5)製造業の集積の維持・発展のために力を尽くす。住民生活関連分野での仕事づくり、後継者育成や就業支援をはじめ、直接支援を国に求め、府としても取り組む。建設業などを含め、下請業者を大企業の横暴から守る。
(重点要望)
 @ 家賃・機器のリース代など固定費補助を国に求め、府としても取り組む。
 A 下請取引適正化のための実効ある措置を国に求める。
 B 大規模小売業者と納入業者、荷主と物流事業者の取引などで「優越的地位の濫用」をなくす実効ある措置を国に求める。
 C 府として、公共事業における下請取引の適正化に努めるとともに、公契約条例を制定する。
 D 府立産業技術総合研究所は、独立行政法人化を中止して、府直営で機能を充実し、市町村とも協力した試験・研究・開発の技術的支援を強化する。

(6)大規模店等の出退店規制を国に要請するとともに、府としても独自に取り組む。商店街、小売市場等の支援を地域住民生活の角度からも強化し、子育て世代からお年寄りまで安心して暮らせるまちづくりをすすめる。
(重点要望)
 @ まちづくり3法の抜本見直しを国に求める。
 A 市町村と連携した区域ごとの出店規制など、地域生活を守るための方策を検討する。
 B 高齢者・障害者支援など福祉分野とも連携した商店街等の活動を支援する。
 C 商店街・市場等が地域に果たす役割を踏まえ、アーケード・照明・施設整備等への支援を強化する。

(7)文化、観光支援、大学の充実などで活力あるまちづくりを府民参加ですすめる。
(重点要望)
 @ 府営住宅を計画的に建て替え、戸数を増やす。新婚世帯向け家賃補助制度を充実させる。
 A 府立大学を総合大学として発展させ、学問研究の拠点として地域経済と府民生活向上に役立てる。府内で学んだ学生が、府内で働き、住み続けられるよう工夫する。
 B 伝統文化・芸能を振興し、府民が親しめる環境整備を図る。
 C 文化・スポーツ施設を充実させ、府民の活動を応援する。
 D 大阪の歴史や文化、伝統を生かした観光に力を入れる。
 E 「ピースおおさか」の発信機能等を充実させる。
 F カジノ特区構想は撤回する。

(8)農林水産業の振興、環境改善、温暖化対策への取り組みを強める。
(重点要望)
 @ 「都市農業振興法」(仮称)の策定を国に求める。
 A 林業を振興する。間伐への支援を強化するとともに、ペレットなど間伐材の利用拡大をすすめる。府内産材の公共事業への活用を拡大する。
 B 大阪湾の漁業を振興する。地産地消の取り組みを強化し、漁場の再生を積極的にすすめる。
 C 環境農林水産総合研究所の独立行政法人化を中止する。
 D 温暖化ガス25%削減の国の方針に見合った計画を、大規模事業所の排出量削減、中小・小規模事業所への支援などで効果的に進める。公害対策を強め、大気、水質等の改善に努める。ヒートアイランド対策を強化する。

2.医療、社会保障の充実−−健康で安心、安全な暮らしのために−−

(1)国に対し、社会保障抑制路線の転換と、医療・介護保険制度、生活保護、年金制度など国民生活の基礎となる分野でのナショナルミニマムの責任を果たすよう求め、府としても住民負担の軽減、福祉の増進に取り組む。
(重点要望)
 @ 後期高齢者医療制度は直ちに廃止し、老人保健制度に戻すよう国に求める。
 A 福祉医療制度を現行より後退させない。
 B 国民健康保険会計への国庫負担の増額と、福祉医療制度に対するペナルティーの中止を国に求める。住民負担の増大につながる国民健康保険の広域化・統一料金化は行わない。
 C 国に対し、障害者福祉サービス及び自立支援医療への応益負担の廃止を求める。移動支援事業を自立支援給付に改善するよう求めるとともに、改善までの間、現行の府の支援事業を続ける。
 D 市場化テスト、民間委託などにより、府民への行政サービスを低下させない。

(2)地方自治体の本来の役割を発揮し、住民福祉の増進を図り、住民の命と健康を守る。
(重点要望)
 @ 小児初期救急医療について、すべての医療圏で24時間受け入れ体制がとられるよう府の役割を果たす。
 A 府の看護師受給計画を見直すなど、医師、看護師不足の解消に取り組む。
 B 街かどデイハウス事業の交付金化は行わない。
 C 地域福祉・子育て支援交付金は増額する。
 D 国に特別な財政援助を求めつつ、特別養護老人ホームやケアハウスの建設を積極的に進める。とりわけ大阪府として広域的特別養護老人ホーム建設を促進する。
 E 国民健康保険証の取り上げをやめるよう市町村を指導する。国保府調整交付金の交付については、「滞納世帯への資格書の交付」を条件にしない。
 F 小口生活資金は原資を大幅に増やし、貸付限度額を当面30万円に引き上げる。貸付要件の3カ月条項を廃止し、その他貸付要件を緩和する。生活支援の体制を強化す  る。

3.教育、子育て支援−−子どもたちがいきいき育ち、安心できる子育てを−−


(1)過度な競争教育をやめ、基礎学力の向上と教育条件の整備を行う。学費軽減・無償化を国に働きかけるとともに、府としても努力する。
(重点要望)
 @ 少人数学級の早期実施を国に求める。国が実施しない場合でも、府独自に35人学級を小3と中1に拡大する。
 A 正規教員の採用を増やすとともに常勤講師も確保し、授業に穴が空かないようにする。非常勤講師の待遇の大幅改善を図る。
 B 私学経常経費助成を復元し、私立高校への授業料支援金制度を拡充する。府民合意のない高校再編は行わない。
 C 進学指導特色校や「大阪府一斉学力調査」など競争教育の助長はやめ、希望者全員が高校に入学できるようにする。
 D 学校安全対策交付金を継続する。
 E 知的障がい支援学校4分校の施設改善(スプリンクラー、厨房など)を行う。今後の障害児童・生徒の増加をふまえ、支援学校の増設計画を新たに立てる。
 F 学校給食法に基づく中学校給食を全校で段階的に実施できるよう支援する。

(2)保育所の待機児解消など、安心して子育てできる施設整備を推進する。深刻な虐待への対策を強める。
(重点要望)
 @ 児童相談所の人員体制強化、市町村の相談体制の充実のために充分な財源措置を講じるよう国に求める。府の子ども家庭センターの専門職を増員する。市町村と協力して、要保護児童対策連絡協議会の機能強化をはじめ、子育て支援ネットワークを充実  し、児童虐待の早期発見と防止に努める。
 A 保育所の待機児解消は、「詰め込み保育」でなく、認可保育所の増設で行うよう、市町村に助言する。
 B 保育所の最低基準等の設定を都道府県に委ねられた場合、現行の水準を後退させない。
 C 子ども医療費助成を国制度とするよう求めるとともに、実現までは、府として対象年齢を引き上げる。
 D 府として「学童保育条例」(仮称)を制定し、指導員の身分を保障するとともに、集団の規模、保育時間などの設置基準を策定する。

4.地方自治、住民自治の拡充−−開発型をやめ、住民の声が生きる自治体に−−

(1)国に対し、財政難の地方へのしわ寄せをやめ、総額確保で地方交付税の財源調整・保障機能を強化し、必要な財源確保を求める。府は、「財政再建」「地域主権」を口実にした府民向け施策の縮減をやめる。
(重点要望)
 @ 国に対し、消費税増税でなく、大企業優遇税制見直しや、「思いやり予算」など軍事費の削減などで、財政再建を図るよう求める。
 A 府の行政改革、財政再建は、府民の暮らし向上を基本にすすめる。大型公共事業などを見直し、効率的な行政で住民福祉の増進を図る。
 B 同和事業は完全終結する。

(2)新たな大規模開発を指向し、地方自治の拡充・府民福祉の増進に逆行する大阪都、関西州構想は改め、地方自治体本来の役割発揮に努める。
(重点要望)
 @ 道州制を前提とした府政運営を行わない。
 A 府水道事業の企業団への移行は急がず、市町村、住民、水道関係者の意見をよく聞く。
 B 住民サービスの切り下げを伴う市町村補助金の交付金化はやめる。
 C 関西空港、伊丹空港のあり方は、需要動向や安全性とともに大阪府民の利便性などを踏まえて検討する。関西空港のハブ化のための巨額の投資を伴う開発を行わない。関西空港会社の経営問題は国の責任で解決する。
 D WTCへの府庁移転構想は撤回する。現府庁を、府民の利便性、効率性、防災拠点となることなどを基準に改善する。府民の利便を損ない、事務の非効率化をもたらすWTCへの府庁の部局の移転はしない。
 E 知事は、米軍普天間基地・訓練の受け入れ検討発言は撤回し、無条件撤去を求める。




当面する府政運営についての緊急要望


 1.児童虐待を防止するため、児童相談所の職員を増やし、地域の関係諸機関との連携を強化する。緊急保護に対応できるよう、一時保護所を増設する。テレビ広報にともなう電話通報に対応するため、子ども家庭センターおよび一時保護所の相談体制を強化する。

 2.労働者派遣法の速やかな抜本改正と最低賃金の生活保護基準を上回る引き上げを国に強く求める。

 3.生活資金融資は十分な原資を確保し、困っている人への融資をすすめる。

 4.貸金業法改正の意義を空洞化する小規模金融特区構想を撤回する。

 5.カジノ誘致の検討は中止する。

 6.福祉施設が、がけ崩れなどの危険箇所に近接し、被災の恐れのある場合、早急に対策を講じる。

 7.教職員定数を確保するため、必要な条件改善を行う。

 8.府立大学の改革は、大阪の多面的な発展に資するよう総合大学として発展させる方向で検討する。大学関係者の合意が得られない大学改革は進めない。

 9.槇尾川・安威川は、ダムに頼らない治水対策を進める。

 10.距離料金制度導入に伴う阪神高速道路の料金値上げには反対する。

 11.府民牧場はより広範な府民の利用を進め、廃止や譲渡は検討しない。

 12.府女性相談センターの一時保護室の個室化を急ぐ。

 14.人権問題に関する府民意識調査は中止する。

 15.関西広域連合(仮称)には参加しない。

 16.住民負担増につながる国民健康保険の統一料金化は行わず、市町村一般会計から国保会計への法定外繰り入れへの援助を府として検討する(別紙に詳細)。

 17.「地域活性化・公共投資臨時交付金」については、住民生活密着型で、安全・安心の確保を図り、雇用や小規模事業所の仕事創出、地域経済活性に効果的なものとなるよう具体化を図る。

 18.高齢者の社会的孤立をなくし、暮らしを支援する体制を強めるため、訪問などによる安否確認、見守りなどを市町村とも協力して推進する。

以 上




2010年8月11日

大阪府知事 橋下 徹 様

日本共産党大阪府議会議員団
団長 宮原 威

国民健康保険料の「府内統一」と国保「広域化」について


 7月22日に開催された「府と市町村との協議の場」において、国民健康保険料の「府内統一」について、知事と市町村長が「合意」し、年内をめどに府が制度設計をすることになったとの報道があった。市町村が独自に行っている一般会計からの法定外繰り入れも独自減免も行わないこととし、「府が決めた方針」として年内に市町村に示すとされたとのことである。
 08年度の一般会計からの法定外繰り入れは、36市町で合計約297億円である。繰り入れが廃止されれば、単純計算で1世帯約2万円の保険料負担の増大となる。いまでも高すぎて支払うことができない被保険者(09年6月の滞納率27.4%)にいっそうの困難をもたらし、収納率のさらなる低下を招くことになる。また市町村の自主・自律性を大きく損なうことになる。
 国保料引き下げこそが必要なのに、逆に上がり続けてきたのは、国が負担を減らし続けてきたからである。しかも本年5月、国保運営の「広域化」・都道府県単位化を推進する法案が通常国会で可決されたが、国の予算を削減したままでは国保料のさらなる値上げが避けられない。
 知事は「財政構造改革プラン(素案)」公表に際し、住民負担など「お金がない以上、どこかで帳尻を合わせる」などと述べているが、市町村国保についてまで、国の方針を先取りし、国への要求や社会保障充実の努力を後回しにして「帳尻合わせ」で住民負担増を迫ることは許されない。
 よって、府は国に対し、国庫負担割合の復元と「広域化」推進の中止を強く要請するとともに、府としても、保険料「府内統一」の方針は撤回し、加入者負担軽減に全力を尽くすことを求めるものである。

以 上



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