08年度決算についてのくち原議員の討論

2009年12月8日

 日本共産党の朽原亮です。

 わが党議員団を代表して、2008年度一般会計・特別会計及び企業会計決算に対する見解と態度を申し上げます。

 08年度決算は、橋下知事により初めて編成された予算に対する決算でした。

 知事は、就任直後からr大阪府は破産会社」などとし、う情報を振り撒き、府の財政危機を強調し、府民施策と文化予算をばっさりと削りました。

 その結果、11年ぶりの「黒字」決算となりましたが、その内容は、知事自身も「r行政サービスを削っており、誇れることではない」と語ったと新聞報道されていたように、決して誇れるものではありません。

 また、8カ月の本格予算となったため、予算通り執行に至らなかった事業も多数あるなど府民施策が後退する結果となりました。知事は決算委員会で、「100点満点」などと答弁していましたがとんでもありません。

 府民のくらしや雇用、中小企業の経営をめぐっては、失業率が全国平上包より2ポイントも高く、企業倒産による負債額が前年比163%と増大し、生活保護率や就学援助の受給率などが全国平均の2倍1こ達しているなど、全国と比べても一層深刻な事態となっている中で、府民施策を大きく削減し、後退させたことは、本来大阪府が果たすべき役割に逆行するものです。

 また、厳しい経営を強いられている中小零細企業や商店街などに対しては、支援強化が求められているにも関わらず、ものづくりや販路開拓などを応援するための中小企業振興費や商業振興関連費が大きく落ち込む結果となっており、やっていることがさかさまです。

 また、土砂災害危険箇所の改善、歩道の段差改善などの安心・安全のまちづくりのための事業費の決算額も前年度を大きく下回るなど、府民の命と安全をおろそかにするものであり重大な問題です。

 不要不急のダム建設や高速道路の推進ではなく、河川の堤防補強や橋の耐震改修などの推進こそが必要です。

 こうした生活密着型公共事業は、中小企業への仕事増やしにもつながるものであり、より積極的な推進が求められていたものです。

 一方、阪神高速道路大和川線や箕面森町など大型公共事業の推進、巨額の誘致補助金など大企業・財界の要望に応えた施策は、基本的に従来通り継続となっており、逆立ち府政の実態が決算からも明らかです。

 また、08年度に提案された府庁舎WTC移転案についても、府の提案が費用面でも防災面でもズサンな内容だったことが改めて明らかとなりました。

 今年9月に府庁舎移転条例が再度否決されたもとでWTCビル購入は思いとどまるべきです。

 企業会計では、りんくうタウン事業が、府民には3千数百億円に上る巨額の.負担を強いる一方、大銀行などに対しては、利息や手数料として1744億円を保証するものとなっています。

 府民負担を少しでも軽減するために府は可能な限りの努力をすべきであり、銀行などに対しても社会的責任を果たすよう求めるべきです。

 水道事業については、過大な水需要予測によるダム建設負担などか盛り込まれたものとなっており、決算そのものは不認定とせざるを得ません。

 しかし来年4月からの料金値下げは歓迎するものであり、琵琶湖開発の負担金が数年後になくなるなど、更に17円、計27円の値下げが順次可能であり、その努力を求めるものです。

 また府の水道事業を大阪市に丸投げするコンセッション型指定管理者制度は撤回し、府内市町村の声をよく聞き、安全・安価な水を安定的に供給する立場を堅持することを強く求めておきます。

 工業用水事業の剰余金処分については、今年7月から値下げが実行され、引き続き値下げが検討されていることも踏まえ賛成するものです。

 大阪府中央卸売市場は、安心・安全な生鮮食料品を公平・公正な価格で安定的に庖民1こ提供するという重要な社会的役割を担ってし、ますが、景気後退による価格の低迷、競り取引の減少、相対取弓1の増加などによる仲卸業者の厳しい経営状況が続き、市生易経営も厳しく、施設や設備も老朽化しており、改善・改修が求められています。

 府として、市場への必要な財政支援を強めるとともに、今後のあり方については、戦略本部会議での一方的な方針決定などは行わず、仲卸業者など、現場関係者の声をしっかりと聞いた上で検討を進めていくことを強く求めておきます。

 以上の理由から、議案9号に賛成、報告13号と14号及び20号〜27号の10件については認定、報告12号及び15号〜19号、28号〜31号の10件については不認定とするものです。

 最後に、今回の決算審査にあたり、知事が、委員会審査のあり方に口をはさむような行為があったことは、厳に謹むべきであり、強く抗議するものであります。

 以上、決算審査の討論と致します。ご清聴ありがとうございました。