大阪府庁のWTC移転 阿部府議 利点がない

 日本共産党の阿部誠行大阪府議は9日の府議会一般質間で、府庁舎の大阪ワールドトレードセンタービルディング(WTC、大阪市住之江区)への移転案に対し、「財政負担、利便性、安全性で大手前での現庁舎耐震補強がすぐれている」と主張し、府民参加で大手前のまちづくりをすすめるよう橋下徹知事に求めました。

 経費について阿部議員は、建物の維持管理費、大規模彦繕費を加えるとWTCは977億円となり、現庁舎耐震補強案の767億円より210億円高くなると指摘しました。

 防災拠点機能の問題で、大阪府も参加した「大都市大災害軽減化特別プロジェクト」のチームが、高層ビルが巨大地震に被災すれば復旧や補修が容易でなく、業務継続が困難になるとしていることを強調。東南海・南海地震の場合の大規模な液状化、高層ビルの設計値以上の揺れの可能性など、専門家による最新の研究、職員の居住地状況を示して「現庁舎耐震補強がすぐれている」と述べたのに対し知事は、「庁舎問題は防災拠点の議論ではない」と強弁しました。阿部議員はまた、府庁移転でWTCがある咲洲地区が活性化するとしている問題で、「庁舎移転を大阪市が失敗した開発の破たん処理、開発の道具にするな」と批判。「いま府政に求められているのは府民の暮らしと中小零細企業の営業を守ることだ」と主張しました。

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2009年10月14日付「しんぶん赤旗」より