大阪府庁 WTC移転は高コスト 堀田議員が知事に迫る

 日本共産党の堀田文一大阪府議は5日、府議会で代表質問し、最大の焦点となっている府庁舎の大阪ワールドトレードセンタービルディング(WTC、大阪市住之江区)移転について、費用や防災拠点などの面から問題点を明らかにし、移転はやめよと橋下徹知事に迫りました。
 橋下知事は「WTC移転が一番安いしとしていますが、堀田議員は、職員の通勤時間や府民の所要時間が増加することによる社会的損失費用が計算されていないことを指摘。橋下知事が「社会的な便益や費用は貨幣価値に置き換えることが難しい」と答えたため、堀田議輿は、WTC移転で50年間で942億円の時間コストが発生するという試算ができることを提示。府が時間コストを示さない不当性を指摘しました。
 また堀田議員は、WTCは265bの超高層ビルであり、南海・東南海地震のようなプレート型地震による強い長周期地震動で内部が壊滅状態となる可能性に言及。橋下知事が「必要な対策を講じることで安全性は確保される」と答えたのに対し、「長周期地震動で何が起きるかわからない」と専門家が述べていることを紹介し、防災拠点としてふさわしくないと主張しました。
 橋下知事が府庁の移転でJR桜島線の延伸などの交通アクセスを整備し、開発に失敗した「咲洲」地区が活性化するとしていることについて堀田議員は、「開発すれば大企業がくるという破たんした呼び込み型開発だ」と批判しました。

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2009年10月6日付「しんぶん赤旗」より