6月臨時議会 黒田まさ子議員の討論(大要)
2009年7月3日
日本共産党の黒田まさ子でございます。わが党議員団を代表して今議会に提案されている諸議案に対する見解を表明します。
まず、一般会計補正予算案についてです。国の「地域活性化・経済危機対策臨時交付金」を活用した事業費約55億円のうち、7割近くが学校のICT化と府有施設の耐震化、交番所の建て替えなどのハード事業です、いずれも大事な事業です。ただ学校のICT化は、いわゆる「エコカー、エコポイント」と同様に、大手メーカーに多額の利益をもたらすものです。十分使えるテレビやパソコンを廃棄することのないよう求めておきます。
経済危機対策と言うからには、これらの事業は可能な限り分離分割発注を行い、地元の中小企業に仕事が回るよう特別の配慮を求めておきます。
質問で指摘しました障害者雇用を奨励する事業や中小企業連鎖倒産防止緊急支援事業は、事業課の要求通り認めたとしてもわずか1億8000万円余です。「何処を削れば良いのか」と言うほどの額ではありません。交付金は19億4800万円の残があります。障害者や中小企業の立場に立つ心があるならばできることです。
インフルエンザ休業の損失補償は、国の責任であることは明白ですが、障害者自立支援法の悪政の下、低賃金で、障害者の人間らしく生きる権利を保障するために、がんばっている施設が、大きな打撃を受けているのを見過ごすことは許されません。9割補償があってもなお多額の損失が出ており、その補償が適用されない施設もあります。政府でさえ、経済危機対策臨時交付金をによる補償を認めています。いまからでも考え直すよう強く求めておきます。
さて、世界経済危機が、雇用や国民生活に残酷な影響をもたらしています。それは、外需に頼る一方、雇用を守るルールを破壊し、社会保障の改悪をどんどん進めてきた結果です。いま、必要なことは、雇用や社会保障制度の抜本的な改革など政治の転換です。
その立場から、国の補正予算を見ると、政府の人気取りとも言える一時的なものが目立ちます。不妊治療費助成事業や市町村事業としての女性の健康支援事業などは、仮に1年で終わるとするなら、文字通り自治体泣かせです。また介護や障害者施設職員の処遇改善事業も2年半で終了すれば、施設も自治体も立ち往生です。こうした施策は継続・拡充するよう知事として国に厳しく要求することを重ねて求めます。
以上の意見を付した上で、議案第1号一般会計補正予算案に賛成、合わせて、関連する基金条例第3号から第7号も賛成です。議案第2号、土地改良事業の施行に伴う負担金の変更の件については、河内長野市に負担金を求める「広域農道整備事業岩湧地区」は、不要不急の開発で問題がありますが、全体としては賛成します。
予定されている教育費の父母負担の軽減については、国の高校授業料減免事業等支援基金の活用を始め、私学助成を元に戻し、府立高校の授業料減免の拡充もあわせて行うよう特に求め、討論を終わります。
ご静聴ありがとうございました。