6月補正予算編成に関する緊急要望書
大阪府知事 橋下 徹 様
2009年6月18日
日本共産党大阪府議会議員団
団 長 宮原 威
6月補正予算編成に関する緊急要望書
4月の近畿の失業率が5.4%に悪化するなど、府民の暮らしは依然、深刻な事態が続いている。
政府は、追加経済対策として地域経済対策・経済危機対策臨時交付金などの補正予算を組んだが、ばらまき予算であり、今後の消費税引き上げが多くの国民から、懸念されている。
現在、大阪府では新型インフルエンザ対策をはじめ、中小企業の仕事の確保、雇用拡大、遅れている地震対策の促進、教育費の負担軽減など課題は山積みとなっている。
そこで、今回予算化される経済危機対策の中で盛られた臨時交付金等は、多くの問題を抱えたものであるが、その使途については、下記の大阪の諸課題を踏まえて検討し、積極的な活用を図られるよう要望する。
1.安全・安心
(1)新型インフルエンザ対策
@ 新型インフルエンザの流行に伴い、知事が休業を要請した障害者や高齢者など福祉施設の収入減少分を補償する。
A 新型インフルエンザの流行による観光、小売・飲食業等への影響を調査し、支援策等対策を検討する。
B 秋冬の流行期に備え、万全の対策を講じる。
C 修学旅行等のキャンセル料等については、あくまでも教育的観点から、万全の対策を講じる。
(2)地震対策
@ 住宅耐震補強の普及・啓発、助成を拡充する。
A 高層・東三国住宅、氷室住宅(高槻市)など耐震改修が必要な府営住宅は、もれなく耐震化する。
B 鉄道駅舎の耐震対策・避難拠点化をすすめる。
C 市町村の学校・幼稚園の耐震化促進に、国に補助率の引き上げを求めるとともに、府としても財政支援を行う。
(3)老朽交番の建替えと交番増設、遅れている信号機、街路灯整備などに計画的に取り組む。
2.中小企業対策・雇用と仕事づくり
(1)中小企業支援・仕事づくり
@ すべての中小企業者の経営について、早急に実態調査を行う。
A 既往融資の返済期限の延長や条件変更に伴う保証料の免除などの返済猶予を行う。
B 貸工場の家賃など、固定費の助成を行う。
C 金融不況を理由にした一方的な発注停止や下請代金の切り下げなど、大企業に下請いじめをやめるよう、国とともに働きかける。
D 商店街支援の予算を増やし、電気代補助の復活やアーケード、カラー舗装など高度化資金の返済猶予など、商店街が維持できる支援を実施する。
E 「森林整備加速化・林業再生事業」予算を大幅に増額し、放置森林・荒廃森林の整備を思いきってすすめる。
F 府営住宅の維持修繕、道路・河川・公園等の維持・補修など、生活密着型公共事業を比率を増やし、中小企業の仕事づくりと雇用創出を図る。
(2)雇用と暮らしを守る
@ 雇用と生活を守るため、下記事項についての対策を国に求める。
(イ)大企業の解雇規制と雇用拡大
(ロ)雇用確保に努める中小企業への雇用調整助成金のいっそうの拡充
A 補助金支出企業に雇用の維持・確保と正規雇用拡大を求める。
B 就業に際し、給与支給まで当面の生活資金が必要な場合の支援制度を創設する。
C 福祉・介護職員の処遇改善は、すべての福祉・介護従事者に行き渡るよう運用する。さらなる処遇改善を国に求める。
3.教育・子育て支援
@ 経済的理由により中途退学を余儀なくされる事態をなくすため、高校授業料減免、奨学金を拡充する。
A 私学助成を元にもどす。
B 「安心こども基金」の活用をさらに促進し、保育所待機児解消や地域の子育て支援施策の拡充など、市町村とよく相談し、実効ある施策を行う。