山本陽子議員の討論(大要)

 日本共産党の山本陽子でございます。わが党議員団を代表して、今議会に提案された諸議案、並びに当面する府政の諸問題について見解と態度を表明します。

 まず、今議会に提案された諸議案についてです。議案第4号の府営住宅建て替え工事請負契約については、議案には賛成しますが、瓜破西住宅のように、1万2千uもの活用用地があり、本来は府営住宅を増設すべきことを表明しておきます。

 議案第2号の都市計画道路大和川線の工事請負契約締結の件は、阪神高速道路の交通量は10年前がピークで、下がる傾向にあり、採算が合わないとした事業を、府が、かた代わりして行うものであり賛成できません。
 議案第10号の職員の給与に関する条例等一部改正の件は、職員の生活悪化につながるものです。

 議案第15号の「大阪府教育ゆめ基金」設置については、大阪全体の教育環境を改善すべきものに使われるのではなく、一部の市町村・地域に「特定の学習方法をおしつけ」て競争させ、教育への管理につながるものであり大いに問題があります。

 また追加議案7号の府営公園の指定管理者指定の件については、指定管理者の選定についてもなんら問題はありません。期間も3年と決まっているものを突然1年に変えることは認められません。なお、11月26日には3年という議案を了解していた知事が、特定の意見によって態度を急変させたという府政運営のあり方は重大であることを指摘しておきます。

 以上の立場から、議案第2号、第7号中第6、第9〜第12、第14、第16〜18、議案第10号、15号、16号に反対、残余の議案については賛成であることを表明します。
なおこの際、府政に関連していくつか申しあげておきます。

 今議会は、かつてない経済危機と国の政治の混迷の中、府民のくらしと雇用をまもるために大阪府が最大限の努力をすることがもとめられました。まず雇用の問題です。

 わが党は議会開会中の12月12日にも知事への緊急申し入れをおこないました。府として、「雇用非常事態宣言」をおこない、在阪大企業に対し、雇用の社会的責任を果たすよう強い指導をおこなうとともに、国の通達に反する事例には、国と共に是正をもとめること、中小企業への金融対策を緊急に実施することをもとめます。また府の職員の新規採用凍結発言や、府立学校に働く教務事務補助員等の雇い止めは撤回してください。

 福祉医療制度の現行制度存続は全会派一致で請願が採択されています。知事がそれを尊重せず、はじめに負担増ありきの態度をとっているのは重大です。現行制度存続を強くもとめておきます。
府営住宅の家賃値上げは府民の生活がたいへんな中、とうてい賛成できません。値上げの撤回を重ねてもとめておきます。

 教育の問題については、私学助成の削減を撤回し、教育の機会均等の保障をもとめます。また大阪府の私学は、公立と協調し公教育を担ってきた経過があります。公私比率を論議する際には、歴史的経過を踏まえるべきであることを指摘しておきます。

 さらに支援学校の新設は待ったなしの課題であり、早急に予算化することをもとめます。
府庁のWTC移転問題です。知事はニュートラム以外に、たった1本しかない公共交通の地下鉄が、震度5弱で止まることもご存知なかった。府民の安全に責任を持つ知事が、危機管理監任せでは困ります。さらに一連のインフラ整備にどの位費用がかかるのか計算すらしていないと答弁されたのには唖然としました。一方では、府民のくらしや教育は、その必要性は認めながら財政危機を理由に、細かいものまでどんどん削っているではありませんか。府民の利便性を考えず、開発をすすめるための手段として、府庁のWTC移転はとうてい認められません。

 最後に文化の問題です。国際児童文学館の現地存続は、9月議会で全会派一致で採択されております。これを尊重すること。移転、先にありきの予算化は止めてください。そのことを最後に指摘し討論といたします。ご清聴ありがとうございました。