政務調査費返還 年内にも提訴へ 大阪府知事


 大阪府の橋下徹知事は2日、2004年度と05年度に府議や元府議14人に支給された政務調査費計約3500万円の返還を求める訴訟を大阪地裁におこすことを明らかにしました。府の提訴には府議会の同意が必要で、19日開会の9月議会に関連議案を提出し、可決されれば、年内にも提訴することにしています。

 提訴対象は自民党4人、社民党1人、共産党9人(現5人、元4人)。府監査委員が昨年6月、04年度と05年度に支払われた約3億4千万円を「目的外」支出と判断し、会派と議員に返還を求めました。共産党の9人を含む14人が応じなかったため提訴するとしています。

 政務調査費は、府議1人あたり会派分10万円と議員個人分49万円の合計59万円が支給されています。

 自民や公明、民主などの各会派や議員の支出では、ハワイ旅行、温泉旅館宿泊費、事務所の液晶テレビ、空気清浄機の一括購入など、多額の目的外支出が指摘されました。

 共産党に対しては、飲食や海外・観光旅行などはいっさいなく、「目的外」支出はゼロと認めながら、各議員が議員団に支出している月22万円の調査委託が不適切だとし、その半額を返還するよう求めています。

 党府議団と府常任委員会は当時、見解を発表し、01年度の全国議長会見解、府条例の改正の内容をふまえ、議会事務局とも相談し、議員団に専任職員を配置し、調査研究活動を行ってきたことを強調。「日常的・系統的・総合的な調査活動があってこそ府民要求実現にかなう積極的な提案や府政の監視、チェックが可能になる」「返還請求は適正さを欠く」と主張しています。

目的外ゼロで返還せよとは
 宮原威団長の談話 わが党は他党に見られるような飲食や海外・観光旅行などの使い方はいっさいない。目的外支出がゼロとされたことが清潔さを証明している。使い方はよいが返還せよというのはつじつまがあわない。提訴されるいわれはないが、議会で提訴が承認されれば裁判のなかで正当性を主張していく。


2008年9月3日付「しんぶん赤旗」より)