2008年2月府議会 黒田議員の代表質問(概要)
2008年3月7日
府民の暮らしと大阪の現状についての知事の認識
日本共産党の黒田まさ子でございます。日本共産党大阪府議会議員団を代表して知事に質問します。
まず、府民の暮らし、大阪の現状への知事の認識と提案されている予算案についてです。 知事は、2月6日に、「財政非常事態宣言」を発しましたが、府民の暮らしや大阪の社会も非常事態になっています。
非正規労働者が約4割にまで達し、その多くが年収200万円以下、長く働いても賃金は上がらず、いつ職を失うかも知れない不安を抱えています。大阪の完全失業率は全国ワースト2が続いています。
自営業者のなかでも年収200万円以下が10年間で10ポイント増え45%にもなっています。生活保護受給率も全国一で、国保加入世帯の4軒に1軒が滞納せざるえないと言う状況です。原油・原材料高騰に加え、電気・ガスなどの公共料金、小麦粉製品など食料品にいたるまで、値上げが生活苦に追いうちをかけています。「必死になって店を続けてきたが、今年から客も減り、もう閉めたいが、年金もなく死にたい気持ち」という私の近所の商店主など、切実な声が大阪中で渦巻いています。また、大阪の児童虐待対応件数は約4400件で、全国の11・7%ですが、全国で最悪の長時間・非正規労働など、大阪の子育て環境の悪さが、社会の病理現象の大きな要因ともなっています。
知事が、まず知らなければならないことは、こうした府民の暮らしや大阪の現実ではありませんか。ところが、あなたは所信表明で、府民生活のたいへんさには、全くふれませんでした。何故ですか。答弁を求めます。
そもそも、暮らしが今日ほど厳しくなった原因には、医療や社会保障の連続改悪、増税、派遣労働の規制緩和による不安定就労の増大など、小泉政権以来の国の弱肉強食の政治にあります。そのうえ、大阪府政が、国の悪政に追随し、高校授業料の全国一への引き上げ、老人医療費助成制度の基本的廃止、保健所や病院の役割縮小など、セーフティーネットさえも切り崩し、負担を押しつけてきたのです。
「大阪を変える」と言うあなたに、府民が期待したものは、こうした弱肉強食政治からの転換であり、不正や税金のムダ使い一掃、子育て支援や、大阪経済の深刻な現状の打開です。府民は、知事就任後、最初の予算議会で知事の公約がどう具体化されるか、注目しています。
提案されている暫定予算案について
そこで、提案されている暫定予算案について質問します。
大阪府は市町村をパートナーとして様々な住民サービスを行っています。しかし、今まで行ってきた事業のうち100を超える項目が全く予算化されていません。「子育て支援のための拠点施設整備補助金」を不計上にしたことによって、学童保育所の改築をすすめる予定なのに執行留保している市もあります。救急医療が社会問題になっているのに、休日夜間二次診療設備整備事業補助金も組まれていません。ゼロベースといいながら、事実上「マイナスベース」すなわち府民施策の切り捨てが多く生まれているではありませんか。
また、府が直接行う事業でも被害が出ています。教育では先生が子どもと向き合う時間を増やす目的で来年度、国がせっかく大阪に定数確保予定の約200人の常勤講師や700人の非常勤講師の人件費が組まれていません。これでは、改善が求められる大阪の教育に支障がでます。
商業者や消費者も交えて二十数回議論し、つくられた「商店街いきいき元気づくり事業費補助金」や、中小企業の強い要望を受けて06年に実現した「ものづくり基盤技術高度化支援事業費」も組まれていません。府民の運動で実現した住民サービスの到達点さえも否定する予算になっています。暫定予算であっても、これまで組んできた教育、医療、安全など必要不可欠なものは予算化すべきです。それぞれ答弁を求めます。
ここで、答弁を求めます。
貧困と格差の広がりの中、緊急に実施すべき事
私は、今まで大阪の貧困と格差が広がっていることを指摘してきました。この立場から、国保や介護の改善、子育て支援、青年の雇用対策などを本予算で全面的に具体化することを求めますが、ここでは、緊急に実施すべき5点に絞って質問します。
子育て支援
第1に、子育て支援です。
その1は知事の公約でもあった子どもの医療費通院助成の拡大です。大阪府は現在、通院で2歳まで、文字通り全国最低です。全国では23都道府県で、府内では7割の市町村が就学前まで実施しています。不安定雇用の若い世帯が増えています。子どもが複数いる家庭では、ちょっとした風邪引きでも1人がかかれば他の子どもに移ります。月末になるとお医者にいけなくて、下の子の薬を上の子に飲ませる。親は我慢するという切ない生活をしている家庭が少なくありません。子どもの医療費通院助成を直ちに就学前まで引き上げるべきです。答弁を求めます。
子育て支援のもうひとつは、妊婦健診の公費負担問題です。「飛び込み出産」の報道が世間を驚かしました。
おなかに宿ったいのちを大切にはぐくみ無事に出産を迎えたいというのは当然の願いです。しかし、きびしい暮らしの中で、保険のきかない妊婦健診をためらう女性が増えています。それがどれほど危険なことであるかを知らないまま、かかりつけ医を持たないままま出産を迎えてしまうのです。
厚生労働省は、市町村の妊婦健康診査の公費実施の充実を求めており、07年4月から最低5回の交付税措置をしました。しかし府内の市町村では実施回数にばらつきがあります。秋田県などが県として支援して受診回数を増やしているように、府として支援し、せめて最低5回以上の受診を保障するよう強く求めます。答弁を求めます。
輸入食品の安全確保
第2は、輸入食品等の安全確保です。
1月30日に発覚した中国製冷凍餃子毒物中毒事件は、食糧の多くを中国などからの輸入に頼っている日本で、一体何を食べたらいいのかという疑問と不安を広げました。一刻も早い真相の究明と対策が必要です。
わが党は、すでに2月15日、輸入食品等の安全確保について知事に申し入れを行いましたが、この際、2点に絞って知事の認識を問いたいと思います。
まず、府として輸入食品、加工食品検査態勢を拡充することです。保健所、公衆衛生研究所、中央卸売市場食品衛生検査所など、検査機関で食品検査に従事する職員は02年以降新規採用がなく、5年間で4人減っています。輸入食品や加工食品の増加などで検査内容も複雑多岐にわたり、府民の願いに応えて事業所等への監視指導を拡充するためにも、専門職員の増員が必要です。答弁を求めます。
次に、食の安全確保の責任は国にもあります。国にたいし、次の2点をきびしく求める事です。
一つは、冷凍食品などの検査についての国の技術や評価の基準を確立し、体制を抜本的に強化することです。大阪検疫所の検査率はわずか8・6パーセント、国全体で10%です。せめてこれを50%以上に引き上げること、そのために現在334人の食品衛生監視員を3000人に増やし、体制を確保するよう要請することです。
二つは、カロリーベースで39%になっている食料自給率を抜本的に引き上げるため、農政の根本的転換を強く求めることです。それぞれ答弁を求めます。
救急医療体制の確立
第3は、救急医療体制の確立についてです。
府内各地で悲惨な事件が相次いでいます。
昨年暮れ、富田林市で救急搬送された89歳の女性が30の病院で受け入れを断られ、死亡しました。2月25日の府の発表によると、重症以上の患者が、10回以上断られた例が71件にのぼりました。昨年7月、私の地元・枚方寝屋川消防組合でも転倒して意識を失った女性が12回断られ、途中で心肺停止になり亡くなられました。
こうした事態の根本原因が、国の医療費削減、医師数の抑制、診療報酬の削減などにあることは明らかです。
地域の救急医療の中核的存在の「二次救急病院」が、この7年間で、大阪府でも34カ所減ったことが急患の収容先選びの困難や搬送遅れが続発する要因になっており、二次救急病院の減少と医師不足が三次救急での搬送の受け入れを困難にしています。
府の救急医療体制強化のための緊急対策として、1つには、現在の大阪府救急医療情報システムを、「診療の可否」「手術の可否」「男女別空床数」など、刻々変わる医療機関の受け入れ態勢を文字通り、リアルタイムで集約できるように強化すること、2つには、救急医療の専門医を二次医療圏ごとに配置し、救急隊や消防本部などの依頼により患者の状況に応じた適切な医療機関を選定、紹介する事業を立ち上げること。3つには、公的医療機関が救急医療の中核を担えるように、市町村病院への補助金の復活や既存の民間二次救急対応医療機関への補助金を新設することです。答弁を求めます。
後期高齢者医療
第4に、本年4月から実施される後期高齢者医療についてです。
この制度をめぐっては、抗議の署名が全国で200万を超え、地方議会での意見書可決も505(全体の28%)に上るなど、高齢者・国民の怒りが急速に広がっています。75歳以上というだけで、国保や健保から追い出され、保険料が年金から天引きされ、払えなければ保険証を取り上げられる、さらには、保険のきく医療が制限されるなど、「人間としての存在が否定された扱いを受けることへの怒り」です。知事として国に後期高齢者医療制度の中止・撤回を強く求めるべきです。
大阪府後期高齢者医療広域連合は、この2月の議会で国に対して、「被保険者に過度な負担を招くことなく、安心して医療を受けることができるよう、国の責任において、財政措置を講ずること」を求める意見書を全会一致で採択しました。
府としても、国に強く働きかけると同時に、保険料引き下げや減免に対する独自の財政支援を講じるべきです。それぞれ答弁を求めます。
中小企業対策と雇用
第5は、中小企業対策と雇用の問題です。
原油・原材料の値上がりが危機的状況にある中小企業の経営を大きく圧迫しています。府が大阪府中小企業団体中央会の協力をえて行ったアンケートでは、影響が今より少なかった1月でさえ、回答を寄せた製造業、建設業、卸・小売業者313社のうち、82%が、原油・原材料の高騰分を製品やサービスに転嫁することは困難と答え、価格上昇が収益に影響すると答えた者が94%となっています。
輸入小麦も昨年10%、4月からさらに30%値上がりします。根本的な原因は、世界の投機マネーの暴走です。この対策は国の仕事ですが、知事はこの際、業界団体や市町村の協力を得て、中小企業の実態調査を行い、緊急の対策を打ち出すべきだと考えますがどうですか。
また、貧困を打開するうえ雇用の改善は急務です。
日本経団連の御手洗富士雄氏が会長を務めるキャノンの100%子会社である長浜キャノンの実態を、衆議院予算委員会で、わが党の志位和夫委員長が取り上げ反響を呼んでいます。派遣労働者だけで製造ラインが動いている。「3人部屋でトイレと風呂は共同」「3畳ほどの1人部屋は薄い壁で仕切られ、隣の声が筒抜け」「4万円の寮費を差し引かれるので、月の手取りはわずか11万円」。今や青年の2人に1人にまでがこうした非正規雇用におかれ、人間の尊厳を傷つける過酷な働き方を余儀なくされ、ダブルワークやトリプルワークは、若者の精神までむしばんでいます。知事として、シャープや松下など在阪の大企業に対し青年の正規雇用を増やすよう働きかけること。府が補助金を出して誘致した企業には一定規模の正規雇用を義務づけること。さらに中小企業が労働者を正規雇用をした場合、奨励金を支給するなことです。
それぞれ答弁を求めます。
府財政の再建について
次に、府財政の再建問題です。
知事の所信表明を聞いて残念に思ったことは、「財政非常事態宣言」を発しながら、その財政が非常事態に陥った原因に全くふれず、それを究明する姿勢も示されなかったことです。何故ですか、答弁を求めます。
知事は、2月27日に「今後の財政見通し」を発表しました。従来行ってきた減債基金からの借り入れや「借換え債」の増発をやめ、2008年度から2016年までに6500億円、うち08年度は約1100億円の歳出削減を必要性を強調しました。そうしなければ、2016年度に、地方公共団体財政健全化法で言う「早期健全化団体」になるという筋書きであります。1100億円の歳出削減をどこに求めるかという点では、府の裁量がきく人件費及び一般施策をきるといい、私学助成、子どもや障害者の医療費助成、道路や河川の安全対策、そして公の施設などをあげました。一方でムダの典型である大型開発や同和には一言も触れませんでした。むしろ建設事業に当てる府債は活用するとして、新年度は860億円を予定しています。これでは、財政再建団体転落を避けるといいながら、ムダを残したまま、福祉や医療・教育をズタズタにし、地方自治体としての責務をなげすてることになるではありませんか。
わが党は、大型開発や同和などの税金のムダ使いをやめ、自主財源確保につとめ、国の地方自治体いじめをやめさせるよう強力に働きかけ、借金の総額を減らしつつ、暮らしや子育てを応援することが重要だと考えます。
そういう立場から、府民本位の財政再建策について具体的に提案します。
第1の柱は、府が独自にできる事をやりきることです。これを実行すれば、2016年度に「早期健全化団体」にならない事は、十分可能です。4点について問います。
大型開発の抜本的な見直しと中止
まず、財政危機をもたらした最大の原因であるムダな大型開発の抜本的な見直しと中止です。
わが党は、りんくうタウン開発、泉佐野コスモポリスなど3つのコスモポリス計画や安威川ダム、関空2期、水と緑の健康都市開発、国際文化公園都市計画など必要性も採算性もない自然破壊の無謀な開発計画に当初から一貫して反対し、中止を求めてきました。
しかし、これまでの知事は耳を傾けることなく、与党会派の後押しを受けて、開発を続け、結果は破綻、巨額の借金と、失政の穴埋めにさらに税金を投入しなければならない最悪のシナリオを招いたのです。そのために、95年に1805億円だった公債費はピーク時の02年度には3559億円と実質税収の41・5%にまで膨らみました。
ところが府は、借金を生み出した大型事業を続けているのです。関空2期、箕面森町、安威川ダムなど、5つの開発だけでも08年度から11年度の4年間で1300億円、うち借金369億円を投じようとしています。緊急性、必要性、採算性さらに環境への影響の観点から抜本的に見直し、即刻やめることを求めます。
同和行政の完全終結
第2は、同和行政の完全終結です。
大阪では、69年「同特法」制定以来、法失効の02年3月までの33年間、2兆8116億円もの巨額の費用をかけて環境改善をはじめ、数多くの対策が実施され、今日では、地域格差がなくなり、地区内外の住民の交流や混住もすすみ、同和地区の実態はなくなり、結婚も若い世代ではすでにこの壁を打ち破っています。
長年にわたる「差別解消」「平等」を求める府民的な運動と行政の取り組みの中で、部落差別は、基本的に解消されるところまで到達しています。これ以上、同和行政を継続することは、かえって「逆差別意識」を生じるなど、同和問題解決にとって有害です。
ところが府は、同和対策事業を人権施策と言い換えて、今日なお、継続しています。
「人権協会」や「部落解放・人権研究所」「総合福祉協会」など、同和関係団体に補助金を出し、事業委託しています。
「解同」などが主催する人権研修会への公費による多数の府の職員の参加、また、「南大阪食肉市場株式会社」には補助金、貸付金を約50億円も投じ、貸付金25億円の返済が危ぶまれています。
旧同和金融公社への貸付金の返還も先送りされ、「同和奨学金」は、要綱を一部変更し、「返還免除」の対象者を大幅に増やし、約70億円もの巨額の肩代わりをしています。
こうした不公正は直ちに改め、必要な返還を求めるとともに、同和行政を完全終結することです。
出資法人、公的施設見直しは府民の目線で
第3は、出資法人や公の施設をはじめ、府の組織を府民の目線で見直すことです。知事が見直すとしている25施設や指定出資法人には、人権協会など同和行政に関わる組織は含まれていません。開発や同和に関係する組織こそ、まず廃止・縮小するべきです。同時に、医療、教育、文化、スポーツ、産業など、大阪府が公的責任と広域的役割、さらにより高い専門性に応える立場から見直すことが必要です。
それぞれの組織や施設には歴史的にみて重要な役割を果たし、今日的にも将来的にもその役割を発揮することが期待されているものが少なくありません。採算性という物差しだけで、判断すべきではありません。「ドーンセンター」や「国際児童文学館」は、国際的にも高く評価されており、大阪の誇るべき財産です。
また、必要な団体や施設であっても人件費が高すぎたり、天下りなどは、是正されるべきです。
わが党は、これまでもいわゆるハコものの建設について簡素、必要性、採算性の立場から一つ一つ検討してきました。見直しに当たっても、こうした基準が必要です。
大企業の法人事業税超過課税率引き上げで100億円
第4は、財政非常事態にある今、資本金10億円以上の大企業の協力を得て、法人事業税の超過課税を率を1・05から1・1に引き上げ、100億円を超す税収を確保することです。年間3兆円近い利益を上げている大企業にとっては過大な負担ではないと思いますが、どうでしょうか。それぞれ答弁を求めます。
大企業優遇税制と地方税財源の見直しを国に求める
財政再建の第2の柱は、国による大企業優遇税制の是正と地方税財源の確保を国に求めることです。
大阪府への地方交付税は、2003年に比べて、今年度は臨時財政対策債も含め、約2000億円減っています。最大の問題が、1998年、99年と連続して行われた所得税、住民税、法人税の2割減税が、所得税、住民税の減税はなくなったのに、法人税の減税だけ続いていることです。これを廃止すれば、国の税収は4兆円増え、大阪府への地方交付税も1千億円以上確保できるでしょう。また、府の税収も、資本金10億円以上の大企業にかぎっても、年間500億円以上の税収増になります。国のゆきすぎた大企業減税を中止させ、バランスのとれた税制にすることで、暮らしと地方自治の財源が確保され、大阪と日本の持続的発展の道が切り開かれます。知事は、大企業減税を中止し、地方税財源を確保するよう国に求めるべきです。答弁を求めます。
また知事は一般職の人件費削減について言及していますが、府の一般職員の人件費は、今でも国家公務員以下、全国42番目です。また、今年度でも一般職で620人退職するのに新規採用は220人、とりわけ専門職の年齢構成がいびつで、食品安全や保健、心理士など専門的ノウハウの維持・継承が危ぶまれています。人件費の総額は、本体部分で7500億円と4年後には今と比べ500億円以上減ります。もしかりに、人件費を削減するというなら、知事や副知事はじめ、幹部職員の人件費を4年間に限り削るなどが検討されるべきです。どうですか。
また、府議会議員の報酬や政務調査費のカット、費用弁償の大幅削減、公務による海外視察の中止など、議会費も削減すべきことを申し上げておきたいと思います。
知事の政治姿勢について
最後に知事の政治姿勢について質問します。
第1は、悪政から府民を守る防波堤になることです。知事は就任挨拶で、職員に向けて「僕は、皆さんの盾になり、サンドバックになります」と言われましたが、守るべきは府政の主人公・府民です。地方自治体の目的である「府民福祉の増進を図る」ことが知事の最大の使命です。被災者生活再建支援法「改正」、「薬害肝炎被害者救済」など今の政治は、国民の声で動き始めています。府民の利益を大きく損なう国の悪政や大企業の横暴に対しては、府民の代表者として敢然と声をあげ、府民を守る防波堤となることこそが求められています。
第2は、清潔な府政の実現です。
大阪府政は中川ヤミ献金疑惑、横山強制ワイセツ事件、太田高額謝礼問題と3代に渡って、不祥事で知事が交代しました。府民にとって不名誉きわまりありません。府民は今度こそは清潔な府政の実現を願っています。清潔な府政の実現にとって、政治とカネの問題は避けて通ることは出来ません。大阪府との関係のある企業や団体から政治献金を受け取ったり、形をかえた政治献金集めの政治資金パーティーの開催はやるべきではありません。
第3は、透明度日本一、府民に開かれた府政の実現です。
情報公開を徹底することです。大阪府の情報公開は遅れています。政策をつくる最初の段階から住民や議会に情報を提供し、いろんな意見を聞きながら政策を作るというのが情報公開の意味です。知事は、「情報公開ランキング全国1位をめざす」と公約していますが、現在すすめている事業見直し作業は、密室作業そのものではありませんか。公開し、府民的討論を保障すべきです。知事の情報公開がホンモノかどうかが問われます。公安委員会も含め、全ての情報を公開し、文字どおり透明度日本一の大阪府の実現を求めますがどうですか。
第4は、議会と知事との関係です。
緊張感のない「オール与党なれあい議会」などと批判されがちな地方政治です。片山善博元鳥取県知事は、議会との関係について「オープンな場で多様な意見や考えを調整し合意形成をはかることが議会の本来の姿、両者が公開の場で真剣に異論をぶつけ合うなかからよりよい結論が導かれるのが本来の車の両輪の姿である」と、「議会への根回しを一切廃止し、知事答弁も、自分の言葉で答弁をする」改革をすすめました。また、議員や首長などの口利きの公開のための「口利き条例」も制定しました。議会は、執行機関のチェックと府民の声を直接府議会に届ける代弁者としての二つの役割を担っています。知事も「根回し廃止」とともに、「口利き公開条例」を提案されるよう求めます。
第5は、知事の資質・品格の問題です。
知事は880万府民の代表であり、大阪の顔です。知事の言動は自ずとその内容が、社会的に問われます。一タレント時代とは全く異なって評価されます。知事の資質・品格と深く関わるとともに、その政治責任も当然問われます。朝令暮改≠ナは困ります。就任後の発言で「大阪を変えたいという意気込みのない職員の方には府庁を去って頂きたい」、「分限免職」を積極的に使いたい、「私と死ぬ覚悟でやって下さい、最後は死んで下さい」、威勢が良い過激な発言ですが、最たる「パワハラ」発言ではないですか。「行列のできる法律相談に訴えてやる!」にあたる発言です。また、岩国市長選挙に関わって、住民自治を否定するかの発言や、大阪の教育をめぐって、35人学級見直しや府立高校の学区廃止発言で、教育行政の自立性をないがしろにし、子どもや保護者・学校現場に混乱や不安を抱かせるなどあまりにも不見識ではありませんか。知事たるものの言動は、高い見識と品性が求められるとともに府民各層への影響を十分考慮し、慎重でなければなりません。以上5点についてそれぞれ答弁を求めます。