建設費659億円・りんくうゲートタワービル
外資企業に45億円で売却へ
大阪府と関西財界が、関西国際空港のバラ色の開発計画の目玉として空港の対岸部の入り口に建設したゲートタワービルが、総建設費659億円の7%にあたる45億円で外国資本企業などのグループに売却されることが15日までにわかりました。
りんくうタウンに、こつぜんと立つゲートタワービル=泉佐野市 |
同ビルは、関空開港に併せて事業計画をすすめ、当初は、陸側から陸橋に進入する高速道路をはさむ形でちょうどゲートのように二棟建てられる計画でしたが、バブル崩壊などで事業計画を縮小、「片肺飛行」(当時の府幹部)として一棟だけの建設になりました。
同ビル社の資本金は150億円で、府や日本政策投資銀行(旧日本開発銀行)、都市銀行のりそな、みずほ、UFJ、三井住友などの金融機関、大林組、大阪ガス、関西電力など関西を代表する大企業が出資しています。1990年に設立され、96年に地上56階地下二階建ての西日本一の高さのビルで開業。
ところが、開業以来16年間毎年赤字を出し続け今年4月に会社更生手続き開始決定を受け、管財人が更生計画の策定に入っていました。去る8月には株式会社新生銀行とアメリカ資本のケネディクス株式会社の企業連合に売却する方向がだされていました。
更生計画では府に、ビル内の国際会議場や展望台を今後5年間から10年間借り上げる、企業局など府の関係団体は今後5年間現在と同じ賃料で入居を続けるなどの支援と合わせて、同社債券22億3000万の放棄を求めています。
日本共産党の和田正徳大阪府議の話
経営破たんしたりんくうゲートタワービル会社の会社更生に際し、管財人から13日、府に対して、約22億3850万円の債権全額の放棄、および今後10年間にわたって総額約47億円の府の支援要請がなされ、経営を外資系の企業にゆだねることになっています。府は、要請されている支援を受け入れなければ会社が倒産するとしてこれを受け入れる方針です。府は、これまで255億円の府費を投入しています。事実上倒産している会社にこれからも巨額の府民の税金を使うこと自体許されません。