続・ハンナン牛肉偽装
癒着の構造<9>
羽曳野政経研究会
市長の政治資金支える
羽曳野政経研究会も連合後援会もすべて所在地は福谷市長宅と同じでした。=羽曳野市 |
ハンナン元会長、浅田満容疑者(65)の邸宅がある大阪府羽曳野市の福谷剛蔵市長(62)=5日から入院中=にますます疑惑が深まっています。
両者の深い関係は連載でも繰り返しふれてきました。10日明るみに出たのは、福谷市長が、浅田容疑者の市長来訪日時を実際よりあとにずらすよう部下に指示した文書改ざんの疑いです。
これまで市長が説明してきた訪問日は農水省が焼却処分を決めた翌日の2001年12月28日。これより前に、浅田容疑者が市長を訪問、市長が管理者の「柏羽藤クリーンセンター」での牛肉焼却を打診していたとすれば、浅田容疑者が農水省の方針を発表前に知っていて、手を打ったことになります。
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顧問に浅田実弟
福谷市長と浅田容疑者の接点は、政治資金でも確認できました。
福谷市長の政治資金管理団体は羽曳野政経研究会です。所在地は羽曳野市南恵我之荘8丁目の福谷市長の自宅。
会発足当初から、会顧問として名を連ねているのが、ハンナングループ中核企業のひとつ、ハンナン畜産株式会社の浅田英樹社長。同社長は浅田満容疑者の弟です。
会規約によると、顧問は「この会の諸問題の諮問に応じます」とされ、現在、福谷市長が緊急入院している城山病院の会長の池浦達雄氏も顧問の一人です。
1999年3月の同会名簿によると、会員は98人。このなかには、ハンナングループの「ハンナン開発株式会社」「ハンナン畜産株式会社」「ハンナンマトラス株式会社」(後に「日本マトラス」に改名)の3社も名を連ねました。
なかなかの金額
羽曳野政経研究会が集める資金はなかなかの金額です。
羽曳野市長選挙が行われた2001年分の収支報告書を見ると、前年繰越額(2867万7630円)と、本年収入(2326万5252円)を合わせて、約5200万円あります。
いずれも「個人の負担する党費または会費」で180人分となっています。
同会規約は、第10条(会費)で「通常会費一口月額1万円」と規定。「臨時会費、必要に応じて会長が会員に諮り納入する」となっています。
1993年4月の市長選は日本共産党羽曳野市議だった湯浅省吾氏と福谷市長との一騎打ちのたたかいでした。このときは、同年3月10日付の「特別会費徴収についてのお願い」を「会員各位」にだして「一口5万円(一口以上のご協力を頂ければ幸いです)」の協力を求めていました。
結局、この年は、前年繰越額と含めて6277万6113円のもの収入があったと報告され、そのうち4000万円福谷氏の選挙母体となった「市民連合」に流れていました。
選挙や政治資金でも福谷市長とハンナングループとの接点が浮かんできます。
(つづく)