続・ハンナン牛肉偽装 

癒着の構図<7>

現市長との関係

異常な公共事業発注が次々


 
 

1日に開かれた柏羽藤環境事業組合議会。正面右から3人目が福谷市長=柏羽藤クリーンセンター




前回、部落解放同盟(「解同」)の利権タブーに挑戦した日本共産党員の津田一郎・羽曳野市長(故人)のたたかいを紹介しました。
 その逆が現在の福谷剛蔵羽曳野市長。ハンナングループとの癒着が問題になってきました。その福谷市長が1日、意外な行動をとりました。
「柏藤クリーンセンター」(管理者は福谷市長)を運営する柏羽藤環境事業組合議会(柏原、羽曳野、藤井寺の3市が参加)の会議で、同市長が議員全員に本紙連載記事Cのコピーを配布したのです。
 もともとこのセンターはハンナングループが国に買い取り申請した牛肉をいち早く焼却し、偽装牛肉証拠隠しの疑いを持たれています。その牛肉焼却は″国・府からの要請″という市、″府は関係ない″とする府。互いに対立するなか、府が焼却に関する文書を市に送ったと指摘した本紙記事があたかも市の″潔白″証明かのようにみえたのでしょう。  しかし、本紙記事は府の関与を指摘しただけ・市の疑惑を否定したものではもちろんありません。捜査当局は、すでに市幹部への事情聴取を重ねています。自身の″潔白証明″に使えそうなものは何でも使え、という市長の姿勢はかえって現在の苦しい立場をあらわしています。

 要望どおり実現


 この日の組合議会では、日本共産党の西条たか子議員(藤井寺市議)の追及で、さらに重大な事実が明らかになりました。
 2001年12月28日。ハンナン元会長の浅田満容疑者(65)が羽曳野市役所に福谷市長を訪ね、「BSE(牛海綿状脳症)で倉庫で眠っている肉が焼却処分になった。羽曳野ではこれに対応できるかな」と打診したと認めました。
 農水省はその前日に「市場隔離牛肉緊急処分事業実施要領」をまとめ、当初、一時保管扱いだった買い取り肉を焼却処分に変更しました。また環境省は、浅田容疑者が市長を訪問したその日、全国の都道府県知事あてに、買い取り牛肉を従来の産業廃棄物扱いから一般廃棄物扱いに変更すると通知したばかり。
   浅田容疑者の肉焼却の打診はあまりに素早い対応です。この要望どおり焼却が実現した経過にいま大きな疑惑が持たれています。

 
 選挙で資金提供


 福谷市長と浅田容疑者はいったいどういう関係でしょうか。
 1989年4月、前出の津田市長に代わって市長に就任した福谷市長は、4回の市長選で2度にわたり、浅田容疑者が率いるハンナングループの所有地を選挙事務所用地に使い、資金の提供も受けていました。
 他方、福谷市長は一期目の1992年に、羽曳野市立と畜場の改築工事をハンナングループの昭栄興業が中心になったJV(共同企業体)に総額16円で発注しました。工事請負契約から、わずか5ヶ月後に市長の専決処分で改築工事を新築工事に変え、6億円も工事請負代金を上積みしました。異常な経過でした。
 また、同じハンナングループのペーパー会社「浅田建設」に、92年から97年の5年間に12億円もの羽曳野市の公共事業が発注されていたことが市議会で明らかになりました。同社の本社があるとされている場所には、事務所の実態がないことも判明しました。
 こうした不透明な関係が以前からつくられていたのです。
(つづく)










2004年6月9日付「しんぶん赤旗」より
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日本共産党大阪府議会議員団