南大阪食肉市場
初年度から5600万円赤字
"府の巨額支援"責任重大
府議会で小谷議員が追及
牛肉偽装事件で逮捕された浅田満容疑者(65)らが役員として深くかかわる南大阪食肉市場株式会社の設立初年度の決算が5600万円の赤字だったことが開会中の府議会でわかりました。日本共産党の小谷みすず議員が一般質問で明らかにしたもの。
小谷議員によると、2002年7月に大阪府の肝いりで羽曳野と松原の食肉市場を再編統合して松原市につくられた南大阪食肉市場株式会社(藤瀬陽三社長)は2002年度決算で5600万円の赤字を出しています。
計画頭数達せず
新会社の収支報告によると、初年度の扱い頭数が2万3000頭の計画に対して実数は2万1019頭にとどまり、府からの10億円を超える助成金を受けながら赤字になったもの。
すでに2003年度の決算時期も過ぎていますが、扱い頭数が計画では2万5250頭になっていたのに対して実数は前年度をさらに下回る1万7399頭で赤字の積み上げ必至となっています。
府は同社の経営基盤強化のため旧市場の14億円の債権を放棄、新会社に3年間に25億円の助成金を提供し、さらに25億円を貸し付けるという破格の経営支援策を実行しています。
小谷議員は「そもそも65億円もの公的資金を投入し、民営化を進めてきた府の責任は重大」と厳しく追及しましたが、太田知事は「当初予測の赤字額より縮小しており、貸付金の償還に支障がないものと考えている」などと答弁しながら、会社の損益計算の今後の計画書の提出を拒んでいます。
社長逮捕の会社
小谷議員は、今回の事件で、同社社長の藤瀬陽三容疑者(65)、取締役の浅田満容疑者、取締役の寺島一容疑者(64)の3人が逮捕されていることを指摘。同時に、新会社が浅田容疑者が社長をしている南大阪食肉畜産荷受株式会社(別名・羽曳野荷受)から段階的に年間1万頭の牛を新市場に移行することを前提に設立され、初年度は8千頭の予定だったのに、実際には2千頭もなかったことを示し「赤字が出るのは当たり前です」と厳しく批判しました。