核兵器廃絶・トンネルじん肺根絶求める意見書など採択

 日本共産党府議団は、5月議会に、▽西松建設献金疑惑の真相解明と企業・団体献金の禁止を求める意見書▽被爆国・日本から「核兵器廃絶をめざす国際交渉を開始する」ことを求める意見書▽国民、労働者、中小企業者の命と暮らしを直接守る対策を求める意見書▽トンネルじん肺根絶、被害者救済の抜本対策の早急な実施を求める意見書▽公的保育制度の堅持、拡充を求める意見書▽新型インフルエンザ感染の拡大を防止し、国民の安全と健康を守る施策に関する意見書の6件の意見書案を提案、各会派と調整の結果、▽新型インフルエンザの感染拡大防止対策等を求める意見書▽核兵器のない世界の実現に向けて国際社会との連携を求める意見書▽経済雇用対策の早急な拡充・強化の実施を求める意見書▽トンネルじん肺根絶に向けた抜本的な対策を求める意見書が全会一致で採択されました。

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新型インフルエンザの感染拡大防止対策等を求める意見書

 世界保健機関(WHO)は、新型インフルエンザに対する警戒レベルを去る4月30日に「フェーズ5」に引き上げ、世界レベルでの感染拡大防止のための措置を講じるよう各国政府に要請した。
 我が国においても、感染防止のための水際での検疫体制が強化される中、米国経由でカナダから成田空港に帰国した4人の感染が確認された。その後、兵庫県においてヒトからヒトヘの初の国内感染の発生をみるなど、現在では1都2府6県に感染が拡大している。
 今後さらに感染が拡大し、感染拡大期・蔓延期へ移行する可能性もあるとの報道もあり、新たな対策も求められている。
 よって国及び政府は、国民の安全・安心を確保するとともに不安の解消のため、感染拡大防止対策等に全力を挙げ下記の対策に取り組むよう、強く要望する。

1.感染ルートの解明に全力をあげるとともに、感染拡大防止対策の強化を図ること。
2.国民への正確な情報提供に努め、相談窓口の充実を図り、風評被害防止のための対策に努めること。
3.新型インフルエンザ対策に取組む地方自治体に対し、十分な財政的支援を行うこと。
4.危機管理の最前線となる保健所の医師をはじめ専門職の確保など、対応体制拡充のための財政支援を行うこと。
5.発熱外来を開設する医療機関等に対する支援を行い、診察に当たる医師等が感染した場合の補償制度を創設すること。
6.蔓延期において発熱外来のみでは対応が困難であることから、原則として全ての医療機関において対応できるよう、国において早期に方針を示し、検査キットや感染防護装備、タミフル等抗ウィルス薬など十分に提供できるよう支援すること。
7.季節性インフルエンザワクチンの製造準備に加え、新型インフルエンザの予防用ワクチンを早期に開発・製造すること。
8.行動計画の運用を見直し、都市機能への影響を最大限に配慮しつつ、国民生活に支障を来たさぬよう努めること。
9.新型インフルエンザの感染拡大に伴う、国民生活や経済活動の制約によって生じる経済的な損失補償を検討すること。
 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

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核兵器のない世界の実現に向けて国際社会との連携を求める意見書

 人類史上唯一の被爆国であるわが国は、広島、長崎の悲劇を再び繰り返してはならないとの堅い決意の下、今後とも国際社会の先頭に立ち、核軍縮・核不拡散を推進していくことが必要である。

 去る4月5日、オバマ米国大統領がプラハで行った演説において、平和で安全な「核兵器のない世界」に向けた現実的かつ具体的な方途を追求することを明確に宣言した。

 オバマ大統領のこの呼びかけを契機に・その他の核兵器保有国も参加した装「核兵器のない世界」への取り組みの機運が盛り上浮がることが強
く期待されるものである。

 よって国会および政府は、核兵器のない世界の実現に向けて、2010年核兵器不拡散条約運用検討会議の成功のため、米国をはじめとする国際社会との連携を強化していくことを強く要望する。

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

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経済雇用対策の早急な拡充・強化の実施を求める意見書)

 経済雇用情勢が深刻の度を増す申、輸出産業を中心とする我が国の産業界は大きな打撃を受け、事業の大幅な縮小や従業員の大量解雇等をする企業が増加している。

 中小・零細企業は資金繰りに苦しみ、国民は日々の暮らしの安心を脅かされるなど、明日の暮らしに不安感を抱く人々も少なくない。

 また雇用面においても、雇用調整の拡大による派遣労働者や期間従業員等非正規労働者の解雇、雇い止め、新規学卒者の採用内定取消し、採用抑制など、全国的に広まる状況である。

 本府では、こうした状況に対応するため「大阪府経済対策連絡会議」を設置し、国の経済対策等の迅速な情報収集等に努めるとともに、府独自の中小企業向け金融支援策や労働相談・就労支援、府営住宅への一時入居などの対策を講じているところである。

 よって国及び政府は、経済雇用対策の早急な実施を図り、非正規労働者への新たなるセーフティネットの構築や雇用の維持、雇用機会の創出など実効ある経済雇用対策の早急な拡充・強化を行うよう強く要望する。

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

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トンネルじん肺根絶に向けた抜本的な対策を求める意見書(案)

 じん肺については、予防対策、健康管理の充実等、国においても各種対策が講じられてきたところである、トンネル建設工事におけるじん肺の発生は、今なお大きな社会問題となっている。

 こうした中、全国の11地方裁判所で審理が進められてきたトンネルじん肺訴訟のうち、5地方裁判所において、国の規制権限の不行使を違法とする司法判断が示された。

 これらの判決を受け、2007年(平成19年)6月、訴訟原告団と国の間で、じん肺政策の抜本的転換を図ることを主な内容とする「合意書」が調印され、その合意内容に基づき、係争中の4高裁11地裁のすべてにおいて和解による解決が図られたところである。

 トンネルじん肺は、その多くが公共工事において発症することも十分に踏まえ、根絶に向けた抜本的な解決が早急に図られなければならない。

 よって、国会および政府は、合意書に基づきトンネルじん肺根絶のための対策を行うとともに、建設業者等の関係者の理解を進めることなどにより、訴訟を提起しなくても補償を受けることができる基金制度の創設に速やかに取り組まれるよう強く要望する。

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。